毎日のように使っている部屋の壁のスイッチ、実は交換できるのをご存じですか?「最近、壁のスイッチの反応が遅い気がする」「スイッチがなんだかグラグラしている」「スイッチから異音がするのが心配」というご家庭は要注意です。
この記事では、壁のスイッチ交換が必要な状況や交換費用、業者に依頼するメリット、部屋別のおすすめスイッチなどの情報を紹介します。壁のスイッチを交換して、安心で快適な暮らしを叶えてみませんか?
壁のスイッチの交換を検討する理由は?

壁のスイッチの交換が必要になる状況はさまざまです。日々、使うもので気づきにくいかもしれませんが「あれ?」と違和感があれば交換のサインかもしれません。スイッチの故障を放置すると、危険につながる場合もあります。
壁のスイッチ交換を検討したほうがよいケースをここで確認してみましょう。
スイッチの故障
壁のスイッチを交換する理由のひとつは、「スイッチの故障」です。頻繁に使うスイッチは、スイッチの内部の部品が摩耗したり、接触不良が発生したりすることがあります。どのような症状があれば故障の可能性があるのでしょうか。
例えば、スイッチを押しても反応がない、照明が点滅する、オンとオフが切り替わるのに時間がかかる、押すときにひっかかりを感じる、スイッチの本体がぐらつくなどは故障のサインかもしれません。
また、スイッチのひび割れや陥没などが起きていることもあります。古くなったスイッチが反応しにくく、強めに押したら壁に陥没したというケースもあるようです。接触不良につながる可能性があり、そのままにしておくのは危険な状態だといえます。
パチパチ、ブーンなど異音が聞こえる、焦げ臭いにおいが気になるといった場合も危険です。火花や煙が出るようだと非常に危険な状態のため、使用を止めてスイッチの交換を検討し、依頼する業者を探しましょう。
スイッチの老朽化
長年使用して、スイッチの見た目が古くなっていることも交換を検討する理由の一つです。リフォームなどで壁紙や建具が新しくなった場合には、古いスイッチが部屋の雰囲気を損ねてしまう恐れがあります。
壁スイッチのプレートが変色したり、傷ついたりしていると部屋の印象も左右します。新しいデザインのスイッチに交換するとインテリアと調和が取れ、理想の部屋作りができるようになるでしょう。
色や素材などスイッチのバリエーションは豊富です。インテリアにマッチする最新のスイッチをチェックしてみると、新たな発見があるかもしれません。
スイッチの機能性の向上
さまざまな機能が追加されたスイッチが登場しており、現状のスイッチよりも機能性を高めたいと、交換を検討する人も少なくありません。オン・オフの操作に加えて、照明の明るさを調整できる「調光スイッチ」や、人の動きを感知して自動で切り替わる「人感センサースイッチ」などがあります。
最近では、スマートフォンと連動できる「スマートスイッチ」も登場しており、手元での簡単な操作や外出先からの遠隔操作が可能です。スイッチを機能性重視で交換することで、日常生活の快適さがぐっと向上するでしょう。
壁のスイッチは自分で修理・交換できる?

壁のスイッチを交換したくなったとき、DIYで修理や交換はできるのかなと考える人もいるのではないでしょうか。実は壁のスイッチ交換には資格が必要です。詳しく確認してみましょう。
壁のスイッチの修理・交換には資格が必要
壁のスイッチの修理や交換は素人では行えません。「電気工事士」の資格を持つ人だけが実施するよう、電気工事士法に定められています。無資格で電気配線に関する作業を行うのは法律違反です。
感電や漏電、火災のリスクがあり非常に危険なので行わないようにしましょう。法律に違反すると、危険なだけでなく罰金や懲役刑に課せられることもあります。また、資格があっても慣れない作業であれば危険が伴います。
基本的には実績のある専門業者に依頼することを検討するほうが安全、安心です。
壁のスイッチを交換したいときに確認すべき点
「壁のスイッチを押しても照明がつかない!」というとき、すぐにスイッチの交換を業者に依頼する前に、自分で確認すべきポイントがあります。反応しない原因が本当にスイッチにあるのかを、まずは調べてみましょう。
例えば、電球が切れていたり、ブレーカーが落ちていたりする場合は、スイッチの故障ではありません。電球を新しいものに交換したり、使用中の電気製品を見直してブレーカーを復旧したりすることで、問題が解決することもあります。
なお、スイッチから異臭がする、異常に熱を持っているといった場合には、ただちに使用を中止し、専門の業者に連絡してください。
壁スイッチはカバーなら自分で交換が可能
スイッチ本体の交換は有資格者以外は行えませんが、スイッチのカバー(プレート)交換はDIYが可能です。老朽化の対策や模様替えとしてご自身で交換してみてはいかがでしょうか。
作業は、古いカバーにネジがあればドライバーで外し、新しいものと付け替えるだけです。ネジがないタイプは、壁との隙間にマイナスドライバーなどを差し込んで、ゆっくり外して取り替えます。
安全のため、作業前にはスイッチのブレーカーをオフにして作業を行ってください。スイッチカバーにはさまざまなデザインのものが販売されています。部屋の雰囲気に合うカバーに交換すると、新鮮な気持ちでスイッチを使えるようになりますね。
壁のスイッチの交換料金と業者に依頼するメリット

壁のスイッチ交換は有資格者のみ行えるため、業者に依頼することになるのが一般的です。交換にかかる費用と、業者に依頼するメリットについて確認してみましょう。
壁のスイッチ交換料金の目安
壁のスイッチの交換料金はスイッチの種類や数、作業の複雑さ、依頼する業者によって変動します。また、交換料金の内訳はスイッチ本体の値段と、交換工事の費用に分かれているのが一般的です。
スイッチ本体の金額は、シンプルなシングル極スイッチは数百円、デザイン性の高いものや調光機能やセンサーなど機能性の高いものなどは数千円程度になることがあります。
専門業者に依頼する場合、交換工事の費用は一箇所あたり3000~8000円程度が相場です。出張費や見積もり料が別途かかる場合もあるので、事前に業者に確認しましょう。複数のスイッチ交換を依頼すると割引がある場合もあります。
有資格者の人がご自身で作業を行う場合は、スイッチ本体の料金と工具代のみで済みます。コストを押さえられるとしても、安全上のリスクが伴いますので、有資格者であっても無理のない判断がおすすめです。
壁のスイッチ交換を業者に依頼するメリット
壁のスイッチ交換を業者に依頼するメリットは、資格を持ったプロが感電や火災のリスクを抑え、安全に施工してくれることです。配線の不具合などが見つかれば、適切に対応してもらえます。
業者によっては、保証やアフターフォローが付いていることもあり、施工後も安心です。
壁のスイッチ交換を業者に依頼する際のポイント
スイッチ交換を業者に依頼する際は、信頼できる業者を選ぶことが重要です。以下のポイントを確認して、安心して任せられる業者を見極めましょう。
信頼できる業者を選ぶためのチェックポイント
- 電気工事士の資格を保有しているか確認する
→ 無資格での電気工事は違法であり、事故の原因にもなります。 - 見積もりが明確であるかチェックする
→ 追加料金の有無や費用の内訳がわかる、詳細な見積もりを提示してくれる業者を選びましょう。 - 保証の有無と内容を確認する
→ 保証の範囲や期間が明記されていると、万が一のときも安心です。 - 実績や口コミ・評判を調べる
→ インターネットや比較サイトで、施工実績や利用者の評価をチェックしましょう。
スイッチの交換を検討し始めたら、以上のチェックポイントを押さえて業者を選んでから問い合わせをしましょう。
その後、見積もりを受け取り、契約、作業、支払いといった流れで依頼は進みます。心配なことがあれば、きちんと解決してから契約するようにしましょう。
壁のスイッチの種類と部屋・用途別のおすすめスイッチ

壁のスイッチには、オン・オフだけでなくさまざまな機能が備わったタイプがあります。部屋ごと、または用途別に適したスイッチをご紹介します。どのような場所にどのようなスイッチがあると便利なのか、スイッチ選びの参考にしてください。
壁のスイッチの種類
壁のスイッチには、機能別にいくつか種類があります。例えば、一番一般的な「シングル極スイッチ」は片切りスイッチとも呼ばれ、1つの照明やコンセントを1箇所から操作するスイッチです。
「3路(4路)スイッチ」は1つの照明を複数個所から操作したいときに組み合わせて使うスイッチです。階段の上下や廊下の両端などで使用されます。また、「ホタルスイッチ」はスイッチがオフのときに小さなランプが点灯します。
暗闇でも位置がわかりやすく、お子様や高齢者にとっても便利でしょう。その他「調光スイッチ」はダイヤルを回して照明の明るさを調整できます。「人感センサースイッチ」は人の動きを感知して自動的に照明をオン・オフするスイッチです。
「スマートスイッチ」はスマートフォンと連動してオンオフを切り替えられるスイッチで、音声で操作指示できるものもあります。部屋や生活スタイルに合った機能を持つスイッチを選ぶと、日常が便利になりそうですね。
部屋・用途別のおすすめスイッチ
続いて、部屋別、用途別におすすめのスイッチを紹介します。
玄関におすすめのスイッチ
玄関では「人感センサースイッチ」や「ホタルスイッチ」がおすすめです。「人感センサースイッチ」は帰宅時や来客時に、暗闇でスイッチを探す手間なく、自動で照明が点灯します。両手が塞がっているときにも便利で、防犯にも有効です 。
「ホタルスイッチ」は暗くなりがちな玄関でもスイッチの場所がわかりやすいので、子どもや高齢者にもおすすめです。
リビングにおすすめのスイッチ
リビングでは「調光スイッチ」「複数回路用スイッチ」「スマートスイッチ」がおすすめです。調光スイッチは読書や勉強、映画鑑賞やリラックスなど用途や状況に合わせて光を調整できます。
「複数回路用スイッチ」はシーリングライト、関節照明など複数の照明器具を個別に操作したいときに便利です。「スマートスイッチ」はスマートフォンで外出先からも操作でき、帰宅前に前もって部屋の照明をつけることなどが可能です。
キッチンにおすすめのスイッチ
キッチンでは手元灯用のスイッチがおすすめです。調理中の手元を照らせるので、作業しやすく、レシピも見やすくなります。
寝室におすすめのスイッチ
寝室では「調光スイッチ」があると、寝る前のリラックスタイムに光を調整できます。夜間の授乳や介護などでも、必要な明るさで照らせて便利です。電気をすべて消すのは苦手という人も、ちょうどよい暗さに設定できます。
洗面所・浴室におすすめのスイッチ
洗面所・浴室には換気扇のスイッチと一つにまとまったスイッチが便利です。タイマーをかけられ、指定した時間に換気扇が自動にオフとなるスイッチもあります。一度かけると忘れてしまいがちな換気扇ですが、タイマーがあると安心です。
階段におすすめのスイッチ
階段には「3路スイッチ」を採用するのがおすすめです。階段の上と下、廊下の両端など2箇所から同じ照明を操作できます。また、「人感センサースイッチ」にするとスイッチに触れなくても点灯し、自動に消灯するため消し忘れを防げます。
子供部屋におすすめのスイッチ
子供部屋は「調光スイッチ」があると、遊ぶとき、勉強をするとき、眠るときなど状況に合わせた光に調節できます。スイッチやスイッチ周りには、蓄光シールを貼ると夜間も場所がわかりやすくお子様も使いやすくなりますよ。
高齢者のいる部屋におすすめのスイッチ
高齢者のいる部屋には、スイッチの押す面が大きいスイッチがおすすめです。ボタンの小さなものに比べ、軽い力でも押しやすいデザインになっています。どこにスイッチがあるかわかりやすいよう、「ホタルスイッチ」もおすすめです。
防犯におすすめのスイッチ
「人感センサースイッチ」を取り付けておくと、不審者の侵入を感知して点灯し、防犯効果を高められます。人の出入りがすくないエリアや勝手口付近に取り付けると、不審者が近寄りにくい状況を作れます。
節電におすすめのスイッチ
「人感センサースイッチ」「調光スイッチ」「タイマー付きのスイッチ」などは必要なときに必要な分だけ点灯させられるので節電につながります。消し忘れの多い場所や強い灯りが必要のない場所などに検討してみましょう。
利便性向上におすすめのスイッチ
「スマートスイッチ」はスマートフォンで離れた場所から操作ができるので、利便性がアップします。両手が塞がるシーンや就寝時などに便利さを感じられるスイッチです。
スイッチ交換に関するQ&A

壁のスイッチ交換の際に気になることをチェックしてみましょう。
賃貸物件だけど交換してもいい?
賃貸物件にお住まいで、スイッチに異変や故障が見られた際にはまず大家さんや管理人に報告・相談しましょう。承諾を得ずに勝手に作業や工事を行うとトラブルになる可能性があります。異変を感じたら、放置せず早めの相談がおすすめです。
スイッチから異音がするけど大丈夫?
スイッチからブーン・パチパチのような音がしたら要注意です。小さな音でも、気づいたら使用をやめ、放置せず対応するようにしましょう。
インテリアになじむスイッチはある?
スイッチは白系をよく見かけますが、グレーや黒、ベージュなどのカラーバリエーションもあります。壁紙や建具、家具などとコーディネートして選んでみましょう。
プレートの素材もプラスチックだけでなく、真鍮や陶器、木製のものも。押しボタン式が一般的ですが、海外のアンティークを思わせるトグルスイッチやアメリカンスイッチなどつまみやボタンの形状から個性を演出できるスイッチもあります。
インテリアの一環として、スイッチを選んでみるのもおすすめです。
有資格者が壁のスイッチをDIYで修理・交換するときの手順

ここでは有資格者の人に、作業工程をイメージしていただくために手順を紹介します。電気工事士の資格を持っている人以外はスイッチの修理や交換はできないので、ご注意ください。
ホームセンターで部品や工具は揃う
スイッチ交換をする際に必要なものは、ホームセンターで揃えられます。新しいスイッチ本体とカバー、プラス・マイナスドライバー、ペンチ、電気絶縁用の手袋、検電器などが主な部品と工具となります。
有資格者が壁のスイッチを修理・交換する手順
スイッチを交換する際の手順を紹介します。
①ブレーカーを落とす
ブレーカーを落とす際、順に落とし、作業予定のスイッチが切れるブレーカーを特定します。特定できたらブレーカーを落とし、念のため検電器でスイッチの電源が完全に切れているかを確認します。
②古いスイッチを取り外す
作業は、念のため電気絶電用の手袋を着用して行いましょう。着用できたら、スイッチカバーをドライバーで外します。カバーが取れたら中のスイッチ本体をネジを緩めて外し、ゆっくりと壁から引き出します。
③配線の取り外し
スイッチに接続された配線は、取り外す前に写真やメモを取っておきます。新しいスイッチをつける際に記録を見て確認が取れるので便利です。確認用の記録が取れたら、配線を取り外していきます。
④新しいスイッチの取り付け
新しいスイッチに、確認用の記録を見ながら、適切に配線を接続します。配線が完了したら、スイッチ本体を電気ボックスに慎重に押し込み、ネジで固定します。
⑤通電確認
スイッチプレートを取り付けたら、分電盤に戻り、ブレーカーをオンにします。スイッチを操作し、照明が点灯するかを確認しましょう。もし点灯しない際は配線に間違いがないか、再度同じ手順で確認してください。
作業は、安全を最優先しながら、無理なく慎重に行うようにしてください。
壁スイッチを交換して便利で快適な暮らしへ
壁のスイッチ交換は有資格者以外は業者に依頼する必要があります。多くの種類のスイッチの中から、その場所に合ったものを選び、安全に施工してもらいましょう。機能的なスイッチに交換して、便利で快適な暮らしを叶えてくださいね。