害獣の被害に遭っているのに、「どこに駆除を依頼したいのか」「費用はいくらくらいかかるのか」わからなくて悩んでいませんか。害獣駆除にかかる費用は、対象害獣の種類や被害規模によって変動します。
この記事では、害獣駆除の相場や料金が変動する理由、料金を抑えるコツ、失敗しない業者選びのポイントを解説します。適切な対策で害獣トラブルの悩みを解決しましょう。
害獣駆除の費用に含まれる内容とは?

害獣駆除を依頼する際に気になることは「どこまでの作業が費用に含まれるのか」「どのような場合に追加料金が発生するのか」ではないでしょうか。このように不明点が多いと、なかなか依頼に踏み切れないですよね。
害獣駆除の作業は、現地調査や見積もりから駆除施工、さらに再発防止対策まで、実にさまざまな工程があります。それぞれの工程について、説明していきましょう。
現地調査や見積もり
まず害獣駆除にあたっては、被害場所や規模を把握するための「現地調査」が欠かせません。現地調査の結果に応じて対応する作業内容を洗い出し、見積もりを出します。
<おもな内容>
害獣の種類の把握 | ・現地を調査し侵入している害獣の種類(ネズミ、イタチなど)を特定する・害獣が棲みついている場所や移動経路・活動時間帯を調査し駆除方法を決定する |
被害場所と規模の把握 | ・床下や壁の内部、屋根裏など、被害場所と規模を調査する・建物や設備の損傷状況を確認し、修繕や再発防止対策の規模を判断する |
侵入経路の把握 | ・害獣がどうやって侵入しているのか経路を確認する・換気口や配管周辺など侵入経路を特定し、再侵入を防止するため封鎖方針を考案する |
駆除にかかる見積もり作成 | ・上記の調査結果をもとに駆除作業の内容に応じた見積もりを作成する・一般的に「駆除作業内容」「追加料金の有無」「アフターサービス」について説明してくれる |
現地調査や見積もりを依頼する際には、駆除内容は適切か、業者から詳細な説明があるかなどで、信頼度が違ってきます。提示された見積もりが「適正価格か、ベストな対応策なのか」を判断するために、複数の業者に見積もりを依頼するのが望ましいでしょう。
駆除のための施工
現地調査で立てた駆除計画を遂行するために、害獣を駆除・追い出し被害を抑える施工を実施します。一般的に発生する作業は以下のとおりです。
<おもな内容>
害獣の捕獲 | ・粘着シートや箱罠など害獣の種類・生息状況に合わせた捕獲罠を設置・害獣によって捕獲完了までに数日かかる場合もある |
害獣の駆除・追い出し | ・家屋内や天井裏に棲みついている場合は、忌避剤や煙幕などで害獣が自ら出ていくよう誘導する手法もある |
侵入経路の封鎖 | ・再侵入防止のため、特定した害獣の侵入経路を封鎖する・金網やパテ、シーリング材などで換気口や配管周辺、ドアや窓のすき間などをふさぐ |
清掃・消毒 | ・害獣が残した糞尿や巣などを除去する・病原菌の拡散防止のため、現場を清掃・消毒をして衛生的な状態にする |
修復作業 | ・害獣による損傷を受けた壁や床、配線などを修理する・業者によっては簡易的な補修作業のみをやり、必要に応じて専門業者を手配することもある |
これらの工程は、確実に害獣を駆除するために必要なプロセスです。害獣の種類や個数によっては、駆除に数日かかることがあります。
再発防止などの対策
最後の「再発防止などの対策」は、駆除した害獣の再侵入や再被害を防ぐための作業を行います。
<おもな内容>
建物周辺の整備 | ・隠れ場所になりやすい草木や茂みを切り払うなど、庭などの整備を実施する・敷地内にある食品やゴミを管理する |
忌避装置の設置 | ・超音波装置や忌避スプレー、散布剤など害獣を寄せ付けない忌避装置や設備を設置する |
定期点検 | ・定期的な点検を実施し、再発の兆候を早期発見する・業者によりアフターサービスの有無がある |
害獣駆除の効果を長持ちさせるためには、再発防止対策がとても重要です。上記内容が含まれているか、どのような時に追加費用が発生するかを、見積もりの時点でしっかり確認しておきましょう。
害獣駆除の料金相場は状況により異なる

害獣駆除にかかる料金相場は、害獣の種類や駆除範囲、被害状況などによって幅があり一律ではありません。さらに、施工後の再発防止対策やアフターサービスの有無も料金に影響します。
害獣の種類と数
害獣といってもさまざまな種類があり、個体ごとに駆除方法が異なります。それによって料金が変動するのです。それに加えて、数が多ければ多いほど作業量が増えるので、その分高くなる傾向があります。
そして、一部の害獣については、有資格者でないと駆除できません。有資格者が駆除作業をする場合は、さらに高くなります。
駆除する場所と範囲
駆除する場所や範囲も無関係ではありません。例えば、害獣被害の範囲が大きいほど駆除にかかる作業量が増えます。そうなれば、人件費が上がる可能性があるでしょう。
また、築年数が長い建物ほど経年劣化しているため、多くは害獣が侵入しやすい環境になっていると考えられます。それによって作業範囲が広がることもあるのです。
害獣による被害状況
害獣による被害状況が大きければ大きいほど、費用は高くなります。壁や床に害獣の糞尿などによる汚れが広がっていると、衛生状態を回復するための清掃や消毒作業をしなければなりません。
使用する薬剤の量や対応人員に応じた料金になるので、被害規模の大きさによって変わってきます。
【害獣別】駆除にかかる料金の相場

ここまで、害獣駆除には害獣ごと、駆除範囲、被害状況により相場が変わることを説明しました。ここでは、ネズミ、イタチ、イノシシの3害獣駆除の相場を見ていきます。あくまで相場ですので、現地の被害状況や規模により左右されることを覚えておきましょう。
ネズミの場合
ネズミ駆除の相場:約6万〜30万円
ネズミは繁殖力が強く、家屋に棲みつくとたちまち数が増えます。糞尿を蓄積し電線などをかじるなど、衛生面やインフラ面にも影響をもたらす害獣です。鋭い歯に対抗するために丈夫な素材で侵入封鎖する必要があり、その分料金が高くなる傾向があります。
イタチの場合
イタチ駆除の相場:約5万〜30万円
イタチは、野生鳥獣の捕獲や殺傷が禁止されている「鳥獣保護管理法」対象の動物です。そのため、駆除には許可が必要になります。イタチは狭いすき間から侵入する性質があり、柱を伝って屋根裏や天井裏に棲みつくことが多いようです。
イノシシの場合
イノシシ駆除の相場:約5万〜25万円
イノシシも、イタチと同じく「鳥獣保護管理法」の対象動物です。イノシシの駆除は危険を伴う作業のため、狩猟免許保有者でないと駆除できません。被害が深刻な農村部などでは、自治体によって駆除費用の補助金や支援制度があるようです。
害獣駆除の料金を抑えるには

害獣駆除にかかる料金を抑えるためには、3つの方法があります。被害に気づいたら、早めに行動するのがポイントです。
早めに駆除を依頼する
一度害獣被害に遭ったら、「あっという間に深刻な状況になってしまった」ということは少なくありません。そのため、被害に気がついたらできるだけすぐに害獣駆除を専門としている業者に連絡しましょう。
放置すると被害がどんどん広がり、それだけ作業にかかる規模も大きくなってしまいます。早めに駆除を依頼しておくと、被害も料金も最小限で済むかもしれません。
複数の業者に相見積もりをとってもらう
依頼する際には、複数の業者に相見積もりを依頼しましょう。相見積もりをとることで、おおまかな適正料金がわかります。安いからと決めるのではなく、サービスの内容やアフターサービスの有無などもチェックしておきましょう。
なお、現地調査や見積もりが無料の業者を選ぶと、その分料金がかかりません。
自治体に相談する
自治体によっては、害獣駆除にサポートや補助金が出るところもあります。害獣駆除の業者派遣や捕獲器の貸出など、自治体によって内容はさまざまです。お住まいの自治体でどのような害獣駆除のサポートがあるかを確認しましょう。
もし、補助金などサポートがあるのであれば、活用しない手はありません。
東京都大田区の場合は、ハクビシンやアライグマの被害に悩んでいる方を対象に、捕獲用の箱罠を設置するサポートがあります。サポート内容は以下のとおりです。
内容 | 現地調査、箱罠設置、捕獲した害獣の回収 |
費用 | 無料 |
設置条件 | 害獣被害があることなど、いくつかの条件をすべて満たす必要がある |
設置期間 | 原則2週間(場合により延長可能) |
また、品川区も、契約している専門業者に箱罠による害獣捕獲や駆除を依頼しています。
金額などの詳細は、各自治体のホームページでチェックしましょう。
害獣駆除を業者に依頼する3つのメリット

害獣駆除は手間がかかるだけでなく、場所によっては危険を伴います。作業にかかる時間や内容などを総合的に見ても、料金がかかっても専門の業者に依頼するのが安心です。そこでこの章では、害獣駆除を業者に依頼するメリットをあげていきます。
自分でやるのは危険が伴う
まず、素人が知識なく害獣駆除するのは危険です。凶暴な害獣もいるので、素人判断で駆除対応するのはおすすめしません。さらに、ほとんどの害獣は病原菌や寄生虫を媒介しています。
運よく捕獲できたとしても、噛みつかれたり引っかかれたりしたら、感染症にかかるリスクが高くなります。
プロに任せれば確実に駆除できる
害獣駆除を専門としているプロに任せれば、確実に駆除できます。高所に棲みついている害獣もいるので、慣れている業者ならノウハウを活かしてスムーズに対応してくれます。安全面からも安心して任せられるでしょう。
再発防止対策もしてくれる
専門の業者に依頼すると、駆除だけでなく再発防止対策も立ててくれます。害獣が戻ってこないようにするためには、完全駆除が望ましいです。それには、駆除後の消毒や侵入進路の封鎖などの専門的な知識を持つ業者に任せれば、害獣に悩まされる心配が減るでしょう。
失敗しない業者選びのポイント5つ

害獣駆除を専門の業者に依頼すると決めたものの、どの業者を選べばいいのか悩みますよね。「料金が安いところに依頼したら、実は悪質な業者だった」場合、トラブルにつながりかねません。そこでこの章では、失敗しない業者選びのポイントを解説します。
豊富な実績があるか
害獣駆除は、高度な専門性が求められる分野です。相手が動物である以上現場ごとに被害状況や環境も異なり、必ずしも同じ方法で解決できるとは限りません。このことから、依頼する業者に豊富な実績があるかは判断基準のひとつになります。
多様な駆除スキルで対応してきた業者であれば、柔軟なアプローチで適切な解決策を提供してくれるでしょう。実績はホームページや資料でチェックできます。
対応できる害獣の種類は多いか
素人は害獣被害現場の痕跡だけで害獣の種類を特定しにくく、ネズミと思ったら違う動物だったということもあります。このため、害獣駆除を依頼する際には、さまざまな害獣に対応できるノウハウと実績を持った業者を選ぶことが重要です。
依頼する前に、業者のホームページや資料を見て対応可能な害獣を確認しておきましょう。多くの種類の害獣を駆除してきた業者なら、それぞれの動物に合わせた駆除スキルを持っているので、的確な対応が期待できます。
作業内容は明確か
害獣駆除には、いくつもの工程があります。害獣の追い出し、侵入経路の封鎖や捕獲器の設置などの環境整備、清掃や消毒が基本的な作業です。ただし、同じ作業でも被害内容によって追加作業が増え、思わぬ料金になってしまうことも。
そのため、作業内容や料金の内訳を明確にしている業者を見極めて依頼しましょう。
保証内容はしっかりしているか
業者に依頼する時は、保証内容がしっかりしているかも確認します。害獣の駆除が完了したとしても、また戻ってくることがあるからです。その場合に保証があると新たな料金が発生しません。
保証には、部分保証と侵入保証があります。それぞれの違いは以下のとおりです。
部分保証 | 駆除工程で侵入を防ぐために業者が塞いだ穴が壊れ、そこからまた害獣が侵入した場合のみ保証されるもの。その穴以外から侵入された場合は保証対象外となる |
侵入保証 | 害獣駆除後、保証期間内にまた害獣が家屋に侵入した場合に保証されるもの。どのような場合でも対応を保証する(天災や災害を除く) |
侵入保証のほうが幅広くてお得ですよね。保証期間も合わせて確認しておきましょう。
口コミや評価はいいか
口コミや評価もチェックしておきたいポイントです。利用者によって受ける印象は異なるので、完全に鵜呑みするのは危険ですが、それでもある程度参考になります。
接客態度や説明がきちんとされているか、作業内容やアフターフォローはしっかりしているかなど、情報収集をして業者のおおまかな評価を把握しておきましょう。
まとめ
害獣駆除の相場と料金を抑える方法、失敗しない業者選びについて解説しました。害獣の存在に気づいたら、被害拡大を防ぐためにもすぐに駆除依頼をするのがベストです。そうはいっても、どこに依頼したらいいのかわからないとなかなか動けませんよね。
複数社に見積もりをとり、実績や口コミを確認し、適正価格で対応してくれる誠実な業者に害獣駆除を依頼しましょう。