エアコンからポコポコ音が聞こえると「何の音?」「どうして音が鳴っている?」「もしかして故障?」と不安になりますよね。エアコンからポコポコ音が聞こえるのは、実はよくある現象です。
この記事ではエアコンのポコポコ音の解消のために、自分で試せる方法を紹介します。もし解決できない場合のために、相談する業者や費用相場も紹介しています。エアコンのポコポコ音を一緒に解消していきましょう。
エアコンの“ポコポコ音”の原因は?24時間換気との意外な関係も

エアコンのポコポコ音は、実はよく起こる現象ですが、エアコンの故障ではないことがほとんどです。音の正体は多くの場合、エアコン内の水を外に排出する「ドレンホース」の中を空気が通るときに発生する音です。
特に最近の気密性が高い住宅では、24時間換気システムを稼働させていたり、キッチンの換気扇を回していたりして室内と屋外の気圧に差が生まれて音が鳴りやすくなります。雨や風が強い日に聞こえてくることもあります。
いずれにしても、「ポコポコ音=すぐに危険な故障」というわけではありません。ただ、気になって眠れない、うるさくて我慢できないなど困っている人もいるでしょう。
ポコポコ音の原因と対策、予防法を知ることで悩みを解決できます。
エアコンのポコポコ音がする原因は?主な3つを解説

エアコンのポコポコ音はなぜ起きるのでしょうか。主な原因は3つあります。
- ホースの空気逆流
- ドレンホースの詰まり
- 冷媒ガス
それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。
ドレンホースからの空気逆流(最も多い原因)
エアコンからポコポコ音がする理由として代表的なのはドレンホースの中が空気の通り道になっていることです。ドレンホースとはエアコン内で発生した結露水を外に出すためのホースです。
室内と外部の中間に位置するパーツで、気圧の影響を受けやすい部位となります。外と室内の気圧差が大きい場合には、部屋に空気を取り込もうとする力が働き、ドレンホースの中を空気が逆流する現象が起きやすいのです。
ドレンホースの詰まり(水が排出されない)
外部につながっているドレンホースには外気だけではなく、ホコリや虫などが入る場合があります。ホコリや虫などはそのままにしておくと、ドレンホースの詰まりにつながります。ホースの詰まりは中からの水が排出される妨げになるのです。
ドレンホースの詰まりが原因で水が逆流し、ポコポコ音や水漏れにつながる恐れもあります。
冷媒ガスの不足または過剰(業者対応が必要なケース)
エアコンから音がするだけでなく、冷房の風がぬるいなどエアコンの効きの悪さも同時に感じる場合には冷媒ガスが関係した不調の可能性もあります。冷媒ガスは外気や室内の空気の熱を運び、温度調整をする役割をしています。
冷媒ガスが不足・過剰な状態だとエアコンは正常に稼働できません。運転効率が下がり、電気代にも影響があります。冷媒ガスの補充には適切な知識が必要です。音だけでなく、エアコンの効き方にも不具合を感じる場合は業者に対応を依頼しましょう。
今すぐできる!エアコンのポコポコ音を自分で直す方法

エアコンのポコポコ音、実は自分で試せる解消法があります。どれも簡単にできる方法です。ポコポコ音が気になったら、ひとまずこちらの解消法を試してみましょう。
窓を開ける・換気扇を止める
エアコンのポコポコ音は屋内と屋外の気圧差をなくすと解消できることがあります。部屋の窓を開けたり、回していた換気扇を止めたりすることで気圧の差が解消され、エアコンのポコポコ音を止めることにつながります。
それだけで?と思ってしまいますが、まずは試してみてはいかがでしょうか。
ドレンホースの向きを変える
ドレンホースに水が貯まっている場合には、ホースの向きを少し変えることで音を解消できる可能性があります。ホースの向きを調整し、ホース内に貯まった水が排出されやすい状態にしましょう。
ペットボトルに入れた水に先端を浸す
ドレンホースの先を、ペットボトルなどに入った水に浸すことでもポコポコ音を一時的に解消できます。水がふたの役割を果たし、ホースの内部に空気が入らなくなることで空気音を発生させない仕組みです。
カビの発生やホースの劣化につながるため、長い時間ホースを水につけたままにしないよう、注意が必要です。あくまでも応急処置の方法として、試してみてください。
ドレンホース用逆流防止弁(エアコン用消音バルブ)を取り付ける
ドレンホース内で水が逆流するのを防ぐグッズが販売されています。因幡電工「おとめちゃん」、未来工業「ネオクリア」などがその一例です。ポコポコ音を防止しながら、スムーズに排水してくれる頼もしいアイテムです。
ホコリや虫の侵入も防ぐので、今後の掃除やお手入れもラクになることが期待できるでしょう。
ドレンホース内のゴミ・詰まりを除去する
ドレンホースの詰まりを解決するには3つの方法があります。
1つ目は掃除機を使って自分で行う方法です。エアコンのコンセントを抜いたら、ホースの口に薄い布をかぶせて輪ゴムで留め、布越しに掃除機で吸い込みます。
3秒ほど吸って掃除機を止めたら、ホース口に吸いだされたゴミを掻き出しましょう。長く吸い込むとホース内の水も出てきてしまうので要注意です。
2つ目は市販のクリーナーを使った方法です。ホース内を真空状態にして掃除するドレンホース専用のクリーナーが販売されています。ホームセンターなどで購入できます。
3つめの方法は業者のエアコンクリーニング。自分で作業する必要がなく、プロの技術で確実にエアコンをきれいにできるのが魅力です。
ポコポコ音を未然に防ぐ!日頃からできるエアコンのメンテナンス

簡単に試せる解消法はありますが、ポコポコ音を未然に防げたらそれが一番ですよね。エアコンのポコポコ音の防止には、日頃のメンテナンスが重要です。エアコンやドレンホース周辺の清掃や整頓がカギに。早速、現状を確認してみましょう。
定期的なフィルター清掃
エアコンの異音や不具合を防ぐためには、まずエアコンのフィルターを清潔に保つことが大切です。取り外したフィルターのホコリは掃除機で吸い取ったあと、裏面から水をかけ洗い流します。
取れない汚れには歯ブラシに中性洗剤をつけて優しくこすってみましょう。エアコン購入時の説明書やメーカーサイトにも清掃方法が案内されていますよ。
ドレンホースの定期的な確認・清掃
先程紹介したドレンホースの清掃は、ポコポコ音が発生した際の対処だけでなく日頃のメンテナンスとして取り組んでおくのがベストです。ホースの向きや劣化状況なども定期的に確認して、ポコポコ音の発生を防ぎましょう。
100均でも買える防虫キャップの取り付け
ドレンホースに異物が侵入するのを防ぐには、ホース先端に防虫キャップを取り付けるのも対策になります。防虫キャップは100円ショップでも購入でき、取り付けも簡単です。
- ダイソー「エアコン排水ホース防虫キャップ(防音)」
- キャンドゥ「エアコン防虫・消音バルブ」
- セリア「防虫ドレンホースキャップ」
以上は商品の一例です。ダイソーでは掃除用品の棚の一角に虫対策グッズのコーナーがあり、そちらに置いてありました。バルサンの「ポコポコ音抑制エアコン防虫キャップ」のように練り込まれた薬剤で防虫効果を高めている商品もあります。
室外機の周りの整理整頓
室外機の周辺の整理整頓をすることも大切です。葉っぱや土埃などが入り込むと、異音や故障の一因になります。周りに物が多いと、汚れが吹き溜まりやすくなります。整理整頓をして不具合の要因を取り払いましょう。
ポコポコ音が直らないときは?業者に依頼すべきケース

エアコンのポコポコ音は、解決策を試しても解消しない場合があります。エアコン内部に問題がある可能性もあるため、専門業者による点検や修理が必要になるケースについて確認しておきましょう。
改善策を試しても改善しない場合
上記で紹介した改善策を試してもエアコンのポコポコ音が解消しない場合は、業者への相談を検討しましょう。エアコンの内部など、他に原因がある可能性があります。
冷媒ガスの問題が疑われる場合
異音だけでなく、エアコンの効きが悪い場合は冷媒ガス漏れなどの可能性があります。冷媒ガスに関する作業は、危険が伴うため基本的には専門業者に依頼してください。
ゴロゴロ、カラカラ、キュルキュルなどの異音がする場合
キュルキュル、カラカラなどの音がする場合はエアコン内部に問題がある可能性があります。フィルター掃除など、自分でできる範囲の清掃を行っても音が止まない場合には業者への相談を検討しましょう。
エアコンの分解や高所作業が必要な場合
上記のようにエアコンの内部に問題がありそうな場合は、分解して確認が必要となります。エアコンの分解はプロにお願いすべき領域です。また、エアコンの設置場所が高所など作業に危険が生じるケースもプロに依頼したほうが安心です。
エアコンの異音はどこに相談すべき?修理業者の種類と費用相場

エアコンの異音は、どんな業者に相談すればよいのでしょうか。エアコンの購入先や、メーカー、便利屋など相談先にはいくつかの選択肢があります。業者を選ぶポイントや費用相場も確認し、依頼する際のイメージをしてみましょう。
エアコンの異音解消を相談できる業者
エアコンからのポコポコ音などの異音を解消したいときは以下のような業者に相談できます。
メーカーの修理サービス
エアコン取り扱いメーカーに修理サービスがある場合があります。メーカーサイトで修理が可能な内容などを確認してみましょう。公式サイトでは不具合解消法を教えてくれることもあります。機種名や型番があるとスムーズに調べられますよ。
家電量販店の修理サービス
エアコンを購入したのが家電量販店であれば、購入時に保証がついているケースが多いでしょう。保証期間内であれば費用が無料もしくは安く済む可能性があります。保証書を紛失した場合でも店舗に購入記録がないか確認してみましょう。
街の電気店
身近で相談しやすいのが街の電気店です。地域に根差した個人経営の電気店であれば、軽いフットワークで迅速に対応してくれるかもしれません。
エアコン修理専門店
エアコン専門の修理店は、エアコンに特化しているため対応できる症状が幅広く、パーツの確保などが得意なことが魅力です。メーカーや家電量販店の保証期間が切れた場合には、エアコン修理専門店での修理がより安く済む可能性があります。
便利屋
暮らしのお困りごとに幅広く対応してくれる便利屋も、エアコンのトラブルに対応してくれる可能性があります。業者に来てもらうか迷う程度の、ちょっとしたトラブルや困りごとにもまとめて相談できます。
エアコンのポコポコ音解消以外にも、電球交換や不用品の引き取りなど頼みたいことがあれば事前に問い合わせてみるのがおすすめです。
オンラインマッチングサイト
「くらしのマーケット」や「ミツモア」など、困りごとや業者のマッチングサイトでも相談先を探せます。複数の業者のサービス内容や料金、口コミを調べられるので業者の比較がしやすいのが特徴です。
自分でじっくり業者選びをしたい人、比較検討して納得して依頼したい人にもおすすめです。
業者を選ぶポイントと費用相場
多くの選択肢の中から、実際に利用する業者を選ぶにはいくつかのポイントがあります。業者選びのポイントを抑えつつ、もし業者に依頼するなら費用はいくらくらいになるのかを確認していきましょう。
業者を選ぶポイント
エアコンの不具合を相談する業者を選ぶにはいくつかのチェックポイントがあります。例えば、エアコンの購入時にはあらかじめ決まった保証期間があります。
点検や修理費用がお得になる保証があれば、利用できる業者の優先順位は上がります。また費用に納得できるかどうかもチェックポイントです。その他、希望しているスケジュール感で対応してくれるかどうか、そのスピード感も重要です。
相談時の電話やメールのやり取り、利用者の口コミなどから信頼できる業者か見極めましょう。いくつか相談先を検討した上で、自分の感覚に合う業者を見つけることが大切です。
エアコンの異音解消の費用目安
エアコンの異音の解消を業者に依頼した際の料金相場を確認してみましょう。業者や状況によって一概には言えませんが、目安として依頼時の参考にしてください。
内容 | 費用目安 |
---|---|
ドレンホースの詰まり解消 | 約8,000~24,000円 |
冷媒ガス | 約12,000~25,000円 |
エアコン内部異音 | 約50,000~150,000円 |
エアコンが高所など特殊な設置状況の場合は事前に申し出をしておきましょう。予想外の追加料金が急に発生するのを防げます。
エアコン修理依頼は繁忙期(7・8、12・1月)を避けられるとベスト
エアコンの修理には繁忙期があります。多くの人がエアコンを使い始めて異変に気付くことの多い、7・8、12・1月は修理依頼も増えると言われています。繁忙期を避けると、よりスムーズに対応してもらいやすくなるでしょう。
急に不具合が発生した場合は時期を選ぶことができませんが、もしずっと気になっているような状況なら繁忙期を避けた相談がおすすめです。
よくある質問(FAQ)

エアコンのポコポコ音に関する疑問をまとめました。
Q. 賃貸物件だけど勝手に触ってもいいの?
お住まいが賃貸の場合、ポコポコ音の解消法を勝手に試してもいいか心配になることもあるでしょう。エアコン本体やドレンホース付近の掃除、防虫キャップ取り付けなどは基本的には日常的なメンテナンスとして個人で行って構いません。
部屋に備え付けのエアコンがある場合、内部の修理などは貸主に責任があります。内部の不具合を感じた場合や解消法を試してもいいか迷ったら、貸主に相談してみましょう。賃貸契約のエアコンメンテナンス保証についても要確認です。
Q. ポコポコ音を放置するとどうなる?
エアコンからのポコポコ音を放置していると、水漏れにつながるリスクがあります。もしドレンホースの詰まりがポコポコ音の原因だった場合、そのままにしておくと本来排出されるはずの水が行き場を失い、許容量を超えてしまうかもしれません。
正常に排出されず貯まってしまった水は、エアコン本体の隙間や排出口から噴き出してしまう可能性があります。水漏れしてしまうと、壁や家具、床や階下の部屋にまで被害が広がってしまう恐れもあります。
音が気になったら放置せず、今回紹介した対処法を試してみてください。
Q. 窓を開けたくない場合は?
ポコポコ音の対応策として、窓を開けて気圧を調整する方法を紹介しました。それでも、騒音や花粉、虫や不審者の侵入などが気になり窓を開け放ちたくない人もいるかもしれません。そのときは給気口、換気口を開ける方法を試してみてください。
部屋の壁にある給気口は、家の中に新鮮な空気を取り込むための通気口です。普段閉じたままになっていることもあるので、ぜひ確認して気圧調整に活用してみましょう。
ポコポコ音を解消してエアコンを快適に使おう
エアコンから聞こえるポコポコ音は、意外にも起きやすい現象です。窓を開けるだけ、ホースの向きを変えるだけなど簡単な対応で解消できることがあります。未然に防ぐための対策もホースにキャップを付けるなどシンプルです。
音が気になったら、放置せずに今回紹介した手軽な方法をなるべくすぐに試してみましょう。素早い対応と共に大切なのは、エアコン本体や室外機、ドレンホースなどエアコン周りの清掃と整頓を定期的に行うことです。
それでもポコポコ音が解消しないときには、業者に相談して早期の解決を目指しましょう。エアコンを快適に使って、心地よい毎日を送りましょう。