コンセントが足りないので新しく作りたい、最近ブレーカーの調子がおかしいなど電気に関する困りごとが起こったとき、私たちはどのように解決したら良いのでしょうか。
ここでは電気工事が必要になったとき、どこに頼めば良いのか具体的に解説します。電気工事業者を選ぶときのポイントや、電気工事にかかる費用の相場まで詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
電気工事とは?

電気工事とは電気設備の設置や修理、整備などを行う作業のことです。ここでは電気工事の主な種類と電気工事を行える人物について解説します。
電気工事の種類
電気工事の代表的な種類を4選紹介します。
コンセントの新設・増設
コンセントの新設や増設も電気工事になります。家電製品の種類も豊富でさまざまな物が電気で動くことが多い今、自分の家にコンセントが足りないと嘆いている人も多いのではないでしょうか。
部屋の新しい箇所にコンセントを新設したい、コンセントの口数を増やしたいときは電気工事を依頼しなければいけません。一見簡単そうな工事に思えますが、家の配線などを考慮しなければいけないため専門的な知識が必要です。
電圧の変更
電圧の変更も電気工事になります。電気の使用量が多いため、既存のブレーカーでは度々落ちて困ると悩んでいる人もいるのではないでしょうか。電圧を変更することで、今よりも多くの電気を使用できます。
特にガスではなくIHのコンロを使用している人は、電圧を変更することをおすすめします。電圧の変更も複雑な工事であり、専門的な知識が必要になります。
照明器具の設置
照明器具の設置も電気工事になります。電球の交換など簡単な取り付けは自分たちで行うこともできますが、不安な人は簡単な照明器具の設置であっても依頼することはできます。
また単なる取り付けではなく、天井照明や人感センサー付きライトなどを設置したいケースだと、家の配線などを考慮しなければいけないため、より複雑な工事になるでしょう。
工事が複雑になると専門的な知識が必要なためプロに頼まなければいけません。
ブレーカーの修理・交換
ブレーカーの修理・交換も電気工事となります。ブレーカーには寿命があり、寿命を過ぎたまま使用し続けると漏電や火災の要因になります。
ブレーカーの耐用年数を過ぎても使用し続けているのであれば、ブレーカーを交換するという電気工事が必要です。
また、ブレーカーが熱くなっていたり、焦げた臭いがするときはブレーカー自体に問題があると考えられ、交換が必要になるでしょう。ブレーカーの工事も複雑であるため、専門的な知識をもったプロに頼まなければいけません。
電気工事を行える人は?
電気工事を行えるのは、「電気工事士」という資格を保有している人に限られます。これは法律で定められていることであり、もし資格がないのに電気工事を行うと法律違反になり罰せられます。
電気工事を頼むときは業者が「電気工事士」の資格を保有しているのか、しっかりと確認するようにしましょう。
電気工事はどこに頼む?

電気工事が必要になったとき、どこに頼めば良いのでしょうか。ここでは電気工事を頼める、電気工事業者について解説します。
近所の電気屋
自宅近所で個人経営をしているような電気屋に、電気工事を頼むことは可能です。家電量販店やホームセンターよりも、比較的速やかに電気工事を行ってくれるでしょう。即日対応してもらいたい電気工事を依頼するときにおすすめです。
電気工事を頼むときは、行ってもらいたい工事内容が可能かどうか確認するようにしましょう。工事前に下見をしてもらったり、見積書の作成を依頼することで、より安心して工事を頼めます。
家電量販店
家電量販店にも電気工事を頼めます。ヤマダ電機やエディオンなど、全国展開をしている大手家電量販店でも電気工事を依頼できるので、日本全国どこに居ても電気工事を頼めるでしょう。
また購入と同時に電気工事を行ってくれるというメリットもあります。注意点として、店舗直営の業者が来るのではなく、委託先の業者が電気工事を行うことです。
そのため仲介手数料が発生し、個人経営の電気工務店と比較すると費用は高くなります。また電気工事を即日対応するケースは少なく、工事をするまでに時間がかかってしまうでしょう。
すぐにでも電気工事を行いたいときは、家電量販店はおすすめしません。
ホームセンター
ホームセンターでも電気工事を頼めます。全国展開をしているホームセンターでも対応できるため、日本全国どこに居ても電気工事を気軽に頼むことが可能です。以下4つのホームセンターについて解説します。
コーナン
コーナンには「コンビニサポート」というサービスを提供しており、コーナンで購入した商品を取り付けてくれます。具体的には照明器具の取り付けなどの電気工事を頼めるでしょう。
カインズ
カインズでは「くらしのサポート」というサービスを提供しており、電球1つから交換を受け付けてくれます。換気扇の交換や温水洗浄便座の取り付けなども取り扱っています。
コメリ
コメリでは「住急番サービス」というものを提供しており、エアコンの取り付けや照明器具の交換、センサーライトの取り付けなどさまざまな電気工事を頼むことが可能です。
コメリの店舗で購入した製品のみ取り付けが可能なため、購入した際は取り付けも一緒に依頼するようにしましょう。
DCM
DCMでは「住まいるヘルパー」というサービスを提供しており、照明器具の設置、コンセントやスイッチの交換などさまざまな電気工事を頼めます。コンセントやスイッチの交換が2か所までであれば、8,000円で工事を行ってくれます。
電気工事組合
電気工事組合とは、多くの電気工務店登録している組合のことを指しています。電気工事組合に電気工事の依頼をすれば、登録している電気工務店の中から適した電気工務店を紹介してくれるでしょう。
電気工事組合は専門的な知識が豊富なプロの業者が数多く加入しており、安心して電気工事を頼めます。
仲介サイト
多くの個人経営の電気工務店が加入している仲介サイトから電気工事を頼むことも、良いでしょう。代表的な仲介サイトとして、「くらしのマーケット」が挙げられます。仲介サイトでは口コミや料金、工事内容を比較できます。
料金が安くなる傾向がありますが、中には悪徳業者もいるので選ぶときは細心の注意が必要です。
電気工事業者を選ぶときの5つのポイント

電気工事を行う業者は多数おり、どうやって選べば良いのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。ここでは、電気工事業者を選ぶときのポイントを5選解説します。
悪徳業者に騙されないようにする
電気工事業者の中には、残念ながら不当な金額を請求したり、資格を保有してないのに工事を行う悪徳業者もいます。トラブルは増加傾向にあり、さまざまな人が悪徳業者に騙されているのが現状です。
自分は大丈夫などと過信せず、電気工事の業者を選ぶときは悪徳業者を選ばないように注意しましょう。
費用が相場に見合っているか確認する
電気工事費用が相場に見合っているか確認することも、業者を選ぶときのポイントになります。電気工事業者を選ぶときは、事前に頼みたい工事の費用相場を調べるようにしましょう。
費用相場よりもあまりにも高い業者も怪しいですが、あまりにも安い業者にも気をつけるべきです。始めは安い値段で勧誘し、電気工事後に不当な高額請求をする業者もいます。
電気工事業者を選ぶときは費用の安さだけで選ぶのではなく、相場に見合っているか確認するようにしましょう。
自社施工か下請け企業か確認する
仲介サイトやインターネットで探した電気工事業者の中には、自社施工の業者もあれば家電量販店やホームセンターのように下請け企業が施工する業者もいます。
自社施工だと即日工事が行えないが、下請け企業だとすぐに対応できるケースもあるでしょう。反対に、下請け企業のデメリットとして仲介手数料が発生し費用が高くなる可能性があります。
自社施工と下請け企業のそれぞれのメリットとデメリットを考慮し、どちらが自分に合っているのか決めておくようにしましょう。
保証が充実しているか確認する
電気工事業者を選ぶときは、保証が充実しているのか確認するようにしましょう。工事後の万が一のトラブルにも対応してくれる業者を選べば、より安心です。
保証期間はどのくらいなのか、保証期間内に修理が必要になったとき無料で行ってくれるのかなど、細かくチェックするようにしましょう。
工事前に現地調査を行うか確認する
工事前に現地調査など依頼業者が下見を行ってくれるのか、確認するようにしましょう。工事内容によっては、電力会社に確認を取らなければいけないパターンも存在します。
また追加工事が必要になる可能性もあるので、電気工事業者を選ぶときは工事前に現地調査を行ってくれる業者をなるべく選ぶようにしましょう。
悪徳業者に騙されないようにするには?

電気工事を業者に頼むとき、悪徳業者ではないか事前に確認すべき点があります。確認する点を4選にまとめたので、参考にしてください。
見積書の作成を依頼する
電気工事業者に頼むときは見積書の作成を依頼するようにしましょう。悪徳業者でのトラブルとして、工事後に不当な高額請求が挙げられます。また、必要のない追加工事をされ費用がかさむケースも発生しています。
悪徳業者から騙されないようにするためにも、電気工事業者に頼むときは事前に下見をしてもらい、加えて見積書の作成を依頼するようにしましょう。
また見積書の作成を複数の業者に依頼することで、どこの業者が工事費用が安いのか把握することもできます。費用を抑えるためにも、電気工事を頼むときは見積書の作成を依頼しましょう。
資格を保有しているか確認する
電気工事を行うには「電気工事士」という資格を保有しなければいけません。これは法律で定められたことであり、資格を保有してないのに電気工事を行うと罰せられます。
電気工事を業者に頼むときは、事前にその業者が「電気工事士」の資格を保有しているのか確認するようにしましょう。「電気工事士」の資格以外にも電気工事に関わる資格はさまざまあります。
依頼内容に合った資格を保有している電気工事業者を選べば、より安心して工事を頼めるでしょう。
実績があるか確認する
コンセントの新設や電圧の変更、ブレーカーの修理などは複雑な電気工事になり、実務経験の豊富さや専門的な知識がより必要となります。
複雑な電気工事を実績が乏しい業者に頼んでしまうと、工事が正しく行われなかったり、工事後に不具合が発生し返って費用がかかってしまうというケースも発生しています。
このようなトラブルに巻き込まれないようにするためにも、事前に電気工事の実績について確認するようにしましょう。特に依頼したい工事内容の実務を過去に経験してるのかチェックするようにしてください。
不測の事態に備えて、アフターフォローが充実している電気工事業者を選ぶと、より安心して工事を頼めます。
事前に口コミをチェックする
電気工事を業者に頼むときは事前にGoogleなどで口コミをチェックするようにしましょう。スタッフの対応、工事終了後の不当な追加工事や追加請求はなかったか、保証内容の充実など細かくチェックすることをおすすめします。
口コミの評価が高い電気工事業者を選ぶようにしましょう。
電気工事の費用相場

電気工事の費用相場を事前に把握しておくことは、大事なことです。ここでは電気工事の種類別に費用相場について解説します。ぜひ参考にしてください。
コンセントの増設
コンセントを増設するときの費用相場は1か所5,000円程度です。コンセントを新設するとなると、増設よりも費用は高くなります。理由は新設する場合、新設する箇所まで配線を繋ぐ必要があるからです。
コンセントの増設工事も、既存のコンセントに口数のみ増やすという簡単な工事だと安くなるでしょう。
電圧の変更
電圧の変更の費用相場は50,000円から150,000円ほどとなっています。電圧を変更するとコンセントの交換や分電盤の交換、配線の新設などさまざまな工事が必要となるため、費用が高くなってしまいます。
スイッチの取り付け
スイッチの取り付けの費用相場は、5,000円程度です。しかしスイッチの種類によっても値段は異なります。
一般的なスイッチだと安く交換できますが、パイロットスイッチや人感センサースイッチになると費用は高くなるでしょう。
照明器具の取り付け
照明器具の取り付け・交換の費用相場は3,000円から5,000円程度となっています。照明器具の新設になると、6,000円程度となり高くなります。
ブレーカー工事
ブレーカーの工事は交換か増設かによって、値段が異なります。交換の費用相場は12,000円程度になりますが、増設になると20,000円程度になります。
さらに既存のブレーカーを業者に処分してほしいときは、廃棄処分費用として更に費用が発生するでしょう。ブレーカー工事を業者に頼むときは、処分方法など細かくチェックするようにしましょう。
電気工事は信頼できる業者に頼もう!
電気工事は電気工事士の資格を保有していないと、工事を行うことはできません。電気工事を業者に頼むときは、電気工事士の資格を保有しているのか、確認するようにしましょう。
加えて電気工事を安心して頼める業者を見つけるためには、事前準備は欠かせません。依頼したい電気工事業者を見つけられたのなら、実績の有無や保証内容の充実、相場に見合った費用かという点を確認しましょう。
信頼できる業者に電気工事を任せて、悪徳業者には騙されないように気を付けましょう。