エアコンガス補充のやり方とは?費用・注意点・業者選びまで徹底解説

エアコンガス補充のやり方とは?費用・注意点・業者選びまで徹底解説

本コラムの見出し

エアコンの冷房や暖房の効きが悪くなったと感じた場合、ガス補充が必要となることがあります。エアコンガスの補充は、快適な室内環境や車内環境を保つために重要なメンテナンス作業です。

この記事では、エアコンガスの役割や仕組み、ガス漏れの原因、補充の目安から、実際の補充方法、費用相場、業者選びのポイント、補充後のメンテナンス方法まで詳しく解説します。初めてガス補充を検討している方や、より長くエアコンを快適に使いたい方に役立つ情報をまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

エアコンのガス補充とは?

エアコンのガス補充とは?

エアコンのガス補充は、エアコンの適切な冷暖房機能を維持するために必要な冷媒ガスを、適量まで追加する作業です。冷媒ガスはエアコンの心臓部とも言える存在で、ガスが不足すると効率的な温度調整ができなくなります。

家庭用エアコンや車のエアコンともに、定期的な点検と必要に応じたガス補充を行うことで、本来の性能を取り戻し、快適な室内環境を維持できます。

エアコンガスの役割と仕組み

エアコンガスは、冷媒とも呼ばれ、エアコン内部を循環しながら熱を運ぶ役割を担っています。冷媒ガスは室内機と室外機の間を移動し、室内の熱を外へ運び出すことで冷房効果を発揮します。逆に暖房時には外気の熱を室内に運び込む仕組みです。

冷媒ガスが適量でないと、エアコンの効率が大きく低下し、冷暖房の効きが悪くなります。

エアコンのガス漏れが起きる原因

エアコンのガス漏れは、主に以下のような原因が挙げられます。

  • 経年劣化

配管接続部のシールやパッキンの劣化により、微細な隙間からガスが漏出する場合があります。とくに、屋外に設置された配管は気温変化や紫外線の影響を受けやすく、劣化が進行しやすいといわれています。

また、室外機の開閉バルブのパッキン劣化により、長期使用でガス漏れが発生する可能性もあります。

  • 施工不良

エアコン設置時の配管接続が不適切だった場合、初期段階からガス漏れが発生することがあります。フレア加工の不良や締め付けトルクの不足は、長期的なガス漏れの要因です。

また、製造工程での品質管理不備により、配管接続部や溶接部分に微細な欠陥が生じる場合もあります。

  • 外的要因

室外機の移動や工事、庭木の手入れ時などの外部からの衝撃により配管が損傷し、ガスが漏れることがあります。また、ネズミやイタチなどの害獣が配管の保温材をかじったり、巣作りの際に配管を損傷させたりすることも要因です。

  • 車載エアコンの場合

エンジンの振動や走行時の衝撃により、配管の損傷が発生しやすいといわれています。また、エンジンルーム内の高温環境や道路からの飛び石も、配管やホースの劣化を早める原因です。コンプレッサーのシール部分の摩耗により、内部からガスが漏れ出すケースもあります。

エアコンのガス補充の目安

エアコンの効きが悪くなった場合や、運転時に異音がする、霜が付くなどの症状が見られた場合はガス不足の可能性があります。家庭用エアコンの場合、冷房能力が明らかに低下したときや、車のエアコンでは冷風が出なくなったときが補充の目安です。

定期的な点検と、異常を感じた際の早めの対応が重要です。

エアコンガス補充は自分でできる?

エアコンガス補充は自分でできる?

エアコンガスの補充は自分で行うことも可能ですが、専門知識や適切な道具、十分な注意が必要です。とくに家庭用エアコンの場合は、冷媒ガスの種類や機器の構造によってはDIYでの作業が難しい場合があります。

ガス補充には専門知識が必要

エアコンガス補充には、冷媒ガスの種類や適切な圧力、充填量の把握など専門的な知識が求められます。冷媒ガスにはいくつかの種類があり、誤ったガスを使用するとエアコンの故障や事故につながる恐れがあります。

家庭用エアコンの場合、R22やR32、R410Aなどの冷媒が使われており、R410Aは混合ガスのため継ぎ足しができません。

ガス補充する際に必要なもの

自分でエアコンガス補充を行う場合、以下の道具が必要です。

  • 冷媒ガス缶(車種やエアコンの型式に合ったもの)
  • ガスチャージホース(圧力計付きが望ましい)
  • サービス缶バルブ
  • 保護手袋
  • ゴーグルなどの安全具

車のエアコンの場合、ガスの種類は「R12」「R134」「R1234yf」などがあり、車両の仕様に合ったガスを選ぶ必要があります。

自分で補充する際の注意点

自分でガス補充を行う場合、まず冷媒ガスの種類を確認してください。エアコンの室外機や車内には、使用されている冷媒ガスの種類が記載されています。誤ったガスを使用すると故障の原因になります。

また、作業時は保護手袋やゴーグルを着用し、ガスの漏れや圧力による事故を防ぐために慎重に作業を進める必要があります。補充作業前には室外機や作業周辺の清掃も行い、異物混入を防ぐことが大切です。

車のエアコンガス補充のやり方

車のエアコンガス補充のやり方

車のエアコンガス補充は、正しい手順を守れば自分で行うことも可能です。ただし、圧力のかかる作業であるため、十分な注意が必要です。

車の低圧側ポートを確認する

車のエアコンガス補充を始める際は、まずエンジンルーム内にあるエアコン配管の「低圧側ポート」の場所を特定します。低圧側ポートは「L」または「LOW」と表示されており、主に太めの配管に取り付けられています。高圧側と間違えて接続すると危険なため、しっかり表示を確認してください。

低圧側ポートはガス補充専用の接続口であり、ここに補充用ホースを取り付けることで安全に作業が行えます。車種によって配置が異なるため、取扱説明書やエンジンルーム内の表示ラベルも参考にしましょう。

ガス缶にバルブを取り付ける

次に、エアコンガス缶にサービス缶バルブを取り付けます。バルブのネジを左に回し、針を一番上に上げ、まだガス缶に穴が開かないようにしておきます。ガスチャージホースのバルブがある側をガス缶にしっかりと接続し、漏れがないか確認しましょう。

バルブの取り付けが不十分だと、ガス漏れや圧力低下の原因となるため、丁寧に作業を進めることが重要です。ガス缶の種類は車両ごとに異なるため、車に適合した冷媒ガスを選択してください。

ホースを低圧側ポートに接続する

ガス缶とバルブの準備ができたら、チャージホースのもう一方を車の低圧側ポートに接続します。接続時は、カチッと音がするまでしっかりと差し込み、緩みがないか確認しましょう。低圧側ポートはエアコンガス補充専用のため、他の部分に接続しないよう注意が必要です。

接続が甘いとガス漏れや事故の原因となるため、確実に取り付けましょう。作業前にはエンジンを停止し、周囲の安全を確認してから進めてください。

ホース内の空気を抜く

ホース内には空気が残っていることがあるため、車両側のガス圧を利用してホース内の空気を抜きます。この作業を怠ると、エアコン内部に空気が混入し、冷房効率の低下やトラブルの原因になります。

ホース内の空気抜きは、ホースの先端を少し緩めて車両側のガスを少量流し、空気を押し出す方法が一般的です。空気抜きが完了したら、再度しっかりと接続し、漏れがないか確認します。

エアコンを最大運転にする

ガス補充を行う際は、車のエアコンを最低温度、最大風量、内気循環モードに設定します。エンジンをかけ、A/CボタンをONにし、エンジン回転数を1,500~2,000回転に維持することで、エアコンシステムが最大稼働状態となります。

この状態でガス補充を行うことで、冷媒ガスが効率よく循環し、適切な圧力で補充できます。窓やドアを開けておくと、コンプレッサーが常時作動しやすくなります。

圧力計をチェックしながら注入する

ガス缶のバルブを締めて針でガス缶に穴を開け、エアコンガスの注入を開始します。圧力計付きのチャージホースを使用し、ゲージの指針が適正圧力範囲(水色ゾーン)に収まるようにガスをゆっくりと補充します。

ガス缶は補充中に冷たくなり、圧力が下がるため、グローブを着用して作業してください。缶を逆さにすると液体冷媒が配管に入り、故障の原因となるため、正しい向きで作業します。適正圧力に達したらバルブを閉じ、補充作業は終了です。

エアコンのガス補充を業者に頼むときのポイント

エアコンのガス補充を業者に頼むときのポイント

エアコンのガス補充は自分でも行えますが、専門知識や技術が必要なため、業者に依頼することで安全かつ確実に行えるためおすすめです。業者選びのポイントを押さえることで、トラブルを防ぎ、適正な価格でサービスを受けられます。

家庭用エアコン対応業者の選び方

家庭用エアコンの設置や修理には電気工事が伴うため、電気工事士資格を持つ技術者が在籍している業者を選びましょう。また、冷媒取扱資格(第二種冷媒フロン類取扱技術者など)も業務用機器を扱う際に重要な資格です。

実績と経験年数も重要な判断基準になります。エアコンメーカーの指定工事店や長年の実績を持つ業者であれば、技術力と信頼性が高い傾向と判断できます。施工事例や顧客の声などの情報を参考にしましょう。

また、保証制度の充実度も確認しておきましょう。作業後の不具合に対する保証期間や保証内容を明確にしている業者を選ぶと安心です。

車のエアコンガス補充業者の選び方

自動車整備工場やカー用品店など、車載エアコンに精通した業者を選択します。自動車整備士の資格を持つスタッフがいる工場では、エアコンシステム全体の診断も含めた総合的なサービスを受けられます。

車種への対応範囲も確認が必要です。輸入車や旧型車、商用車など、特殊な車両に対応できる業者は限られています。所有車両の年式や仕様を事前に伝え、対応可能かどうかを確認しておきましょう。

業者を選ぶ際の注意点

業者選びでは、法律を遵守しているか、一定の技術水準があるかを確認します。また、見積もりの内訳が詳細に記載されているか、アフターサービスや保証内容が充実しているかも重要なポイントです。

作業後に冷暖房の効きが改善しない場合の対応や、保証期間についても事前に確認しておくと安心です。

【種類別】エアコンガス補充の費用相場

【種類別】エアコンガス補充の費用相場

エアコンガス補充の費用は、家庭用と車用で異なります。また、追加作業が必要な場合は費用が上乗せされることがあります。

車のエアコンのガス補充料金

一般的な乗用車のエアコンガス補充費用は、ガスの種類や車種、作業内容によって異なりますが、数千円~12,000円程度が相場です。軽自動車では比較的安価で、大型車や輸入車では高額になる傾向があります。使用する冷媒の種類によっても価格差が生じ、新しい冷媒ほど単価が高くなります。

商用車や特殊車両では、冷媒量が多いため費用も高額になります。トラックやバスでは20,000~50,000円程度が相場です。また、業務用の冷凍車両では専門的な技術が必要となり、さらに高額な費用が発生する場合があります。

家庭用エアコンのガス補充料金

家庭用エアコンのガス補充費用は、12,000~25,000円程度が一般的な価格帯です。室内機の容量や設置状況、冷媒の種類によって価格が変動します。

マルチエアコンや業務用エアコンでは、システムの複雑さから費用が高額になります。配管が長距離に及ぶ場合や複数の室内機を持つシステムでは、25,000~50,000円程度の費用が必要になる場合があります。高所作業が必要な場合は、追加料金が発生することもあるでしょう。

冷媒の種類による価格差もあります。R32冷媒は比較的安価ですが、R410Aや特殊冷媒では単価が高くなります。

追加作業にかかる費用

エアコンガスの補充作業では、ガスの充填料以外にも追加作業が必要となる場合があり、その際は別途費用が発生します。主な追加作業としては、配管の修理や部品の交換、真空引き作業などが挙げられます。

配管修理は、ガス漏れの原因となる損傷部分を特定し、必要に応じて部品を交換する作業です。部品交換では、バルブやパッキン、熱交換器などの消耗部品が対象となることが多く、部品代と工賃が加算されます。また、真空引き作業は、配管内の空気や水分を除去し、冷媒ガスの性能を最大限に引き出すために必要な工程です。

これらの追加作業は、作業内容やエアコンの状態によって費用が異なります。事前に業者から詳細な見積もりを取り、必要な作業内容と費用をしっかり確認しておきましょう。

エアコンガス補充後のメンテナンスと長持ちさせるコツ

エアコンガス補充後のメンテナンスと長持ちさせるコツ

エアコンガス補充後も、定期的なメンテナンスを行うことで、エアコンの性能を長く維持できます。

定期的な点検を習慣にする

ガス補充後もエアコンの性能を維持するには、定期的な点検が不可欠です。最低でも月に1回は運転状態を確認し、冷房・暖房の効きや異音、異臭の有無をチェックしましょう。異常を早期に発見することで、配管のガス漏れやコンプレッサーの故障などの重大なトラブルを未然に防げます。

点検時は室外機周辺の障害物を除去し、通気性を確保することも重要です。家庭用エアコンならフィルターの目詰まり、車用エアコンではコンプレッサーの作動音に注意して点検を行います。

フィルター・コンデンサー・ラジエーターを清掃・交換する

エアコンの熱交換効率を高めるため、主要部品の清掃・交換を定期的に行うことも有効です。家庭用エアコンではフィルターを2週間に1回程度清掃し、コンデンサーは年に1回専門業者による高圧洗浄を実施します。

車用エアコンの場合は、ラジエーターの目詰まりを防ぐためには、半年に1回のエアダスターによる清掃が効果的です。部品の汚れは冷暖房能力を最大30%低下させるため、メーカー推奨の交換サイクル(フィルターは1~2年、コンデンサーは5~10年)を守ることで快適さを維持できます。

真空引き充填やガスクリーニングを活用する

ガス補充時には、真空引き充填やガスクリーニングの追加作業を行うことが理想的です。真空引き充填は配管内の空気と水分を除去する工程で、冷媒の循環効率を15%以上向上させます。

また、ガスクリーニングはシステム内の微細なゴミを除去し、コンプレッサーの負荷を軽減します。

これらの作業はガス補充と同時に業者へ依頼可能で、追加費用は5,000~10,000円が相場です。とくに10年以上使用したエアコンでは、内部劣化によるトラブル防止に有効な手法です。

エバポレーターのカビ対策をする

エバポレーターのカビ発生を防ぐため、季節の変わり目ごとの対策が必要です。家庭用エアコンは内部クリーン機能を月1回作動させ、車用エアコンは停車前に送風モードで内部を乾燥させます。

カビ防止スプレーを3か月に1回噴射するのも効果的で、抗菌成分が微生物の繁殖を抑制します。カビが発生すると冷風に臭いが混じり、アレルギー原因となるため、湿度の高い時期は週1回の送風運転(冷房なし)で結露を除去するとよいでしょう。

正しい使い方を意識する

エアコンの負荷を軽減する運転方法を実践します。冷房時は設定温度を28℃以上に保ち、車用エアコンではエンジン始動後5分経ってから作動させます。フィルター掃除を2週間に1回実施し、室外機・ラジエーター付近の物を撤去して放熱効率を高めましょう。

また、連続運転は8時間以内とし、2時間ごとに送風モードで休憩させることでモーターの負担を軽減します。これらを習慣化することで、消費電力と部品劣化を最小限に抑えられます。

エアコンのガス補充をして快適な環境を維持しよう 

エアコンガスの補充は、エアコンの性能を維持し、快適な室内・車内環境を保つために欠かせないメンテナンスです。ガス漏れやガス不足を放置すると、エアコンの効きが悪くなるだけでなく、機器の寿命を縮める原因にもなります。

自分で補充する場合は正しい知識と安全対策が必要です。不安がある場合や作業が難しい場合は専門業者に依頼すると安心です。定期的な点検とメンテナンスを習慣にし、エアコンを長く快適に使い続けましょう。

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