「シーリングライトを取り付けたいのに、天井の形状が原因で取り付けできない…」そんなお悩みはありませんか?じつは、すべての天井がシーリングライトに対応しているわけではありません。
傾斜天井や下地のない天井など、取り付けに注意が必要なケースもあるのです。そこでこの記事では、シーリングライトが取り付けできない天井の特徴や、具体的な対処法をわかりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
シーリングライトが取り付けできない天井の特徴とは?

シーリングライトは手軽に設置できる照明として人気です。しかし、すべての天井に取り付けられるとは限りません。とくに傾斜がある天井や、コンクリートや木板がむき出しの天井などは、専用の設備や加工が必要になることもあるのです。
この章では、シーリングライトの取り付けが難しい天井の特徴と、なぜ設置が難しいのかをわかりやすく解説します。取り付け前に、自宅の天井が該当していないか確認しておきましょう。
天井に配線器具があるか
シーリングライトを取り付けるには、天井に配線器具(引っ掛けシーリングなど)が設置されている必要があります。引っ掛けシーリングがあると、シーリングライト本体を工具不要で取り付けできるためです。
もし配線器具がなければ、直接電気配線に触れる工事が必要となります。これは法律上、有資格者でないと行えません。
また、築年数の古い木造住宅では、引っ掛けシーリングが設置されていないケースが多く、賃貸でもまれにそのような物件があります。取り付け前には天井に配線器具があるかを確認し、なければ電気工事士に相談しましょう。
天井から出ている配線器具は長いか
天井の配線器具が長く突出していると、シーリングライトの取り付けに支障が出る可能性があります。器具が長すぎると、照明本体がしっかりと固定されず、落下の危険性があるからです。
とくにDIYで後付けした配線器具では、長さが規格外だったり、ライトが水平にならなかったりするケースもあります。器具の長さが不安な場合は、短いアダプターに交換するか、専門業者に相談しましょう。
取り付けができる天井かどうか
天井の構造によっては、シーリングライトの取り付けができないことがあります。シーリングライトは、約1m×1mの平面があれば取り付けが可能です。
<シーリングライトの取り付けが困難なおもな天井>
傾斜天井 | 屋根の勾配にそって傾斜している天井。水平でないため基本的に取り付けできないが、傾斜の角度によっては対応したアダプターで設置できることがある |
船底天井 | 天井の中央部分が直線的に高く、船底を逆さにしたような形状。数寄屋造りや茶室など、和風の空間でよく用いられる。水平でないため取り付けできない |
格子天井 | 約45cm〜90cm程度の正方形の桟で組まれている格子状の天井。寺院などの格式ある建物によく見られる。平面な部分が少なく凹凸があるため取り付けられない |
シーリングライトは、基本的に水平に取り付ける設計になっています。天井が傾斜していると、引っ掛けシーリングが水平でなくなるため、照明器具が傾いたり外れたりする恐れもあります。
また、水平な天井でも、強度によっては取り付けられないことがあります。さらにコンクリート製の天井にそもそもシーリングライト用の配線器具がない場合は、業者に取り付け工事を依頼しなければなりません。
形状や材質が特殊な天井の場合は、事前に取り付け可能か確認し、必要であれば専門のアダプターや工事を検討しましょう。
シーリングライトの取り付けを自分でやる方法

シーリングライトは、自分で取り付けられます。最近のシーリングライトは、工具なしでできる「引っ掛け式」が主流で、簡単に設置しやすい作りになっているためです。
この章では、取り付けに必要なものや取り付け方、注意点を説明します。
取り付け前に準備するもの
自分で取り付ける場合、以下のものを準備しましょう。
- 脚立、踏み台
- 軍手(絶縁タイプを推奨)
- ドライバー(場合により)
- シーリングライト本体
- 取扱説明書
また、作業前にブレーカーを落としておき、スムーズかつ安全に作業を進めてください。
シーリングライトの基本的な取り付け方
引っ掛けシーリング式のライトは、以下の配線器具が天井にあれば、工具なしで簡単に取り付けられます。
- 丸型引っ掛けシーリング
- 丸型フル引っ掛けシーリング
- フル引っ掛けローゼット
- 角型引っ掛けシーリング
- 引っ掛け埋め込みローゼット
いずれも構造がシンプルで、ワンタッチで設置できます。上記の配線器具がない場合、電気工事が必要です。
<基本的な取り付け方>
- 配線器具に合ったアダプターを引っ掛けシーリングにはめ込む
- シーリングライト本体の穴をアダプターに差し込む
- 回してロックする(機種により異なる)
- カバーを装着する
- 点灯確認する
取り付けに際しては、リスクを避けるために壁のスイッチあるいはブレーカーを落としておきましょう。
作業時の注意点と安全対策
作業時には、安全を第一に考えて慎重に進めましょう。照明器具の取り付けは高所作業になるため、事故や落下のリスクがあります。
- 脚立を使用する際は平らな床に設置する
- 配線器具を無理に押し込まない(故障や破損の原因)
- 配線が見えている場合は触らない
- 不安がある場合は専門業者に依頼する
天井から配線が見えている場合は、プロに任せるのが一番です。素人判断でいじらないように気をつけましょう。
シーリングライトを傾斜天井に取り付けするには

傾斜天井でも、専用の対応商品や工夫次第でシーリングライトの取り付けが可能です。近年は傾斜天井用の取り付け金具が充実しているので、上手に活用しましょう。
ここでは、傾斜天井にシーリングライトを取り付けるためのポイントや、注意すべき点についてわかりやすく解説します。ぜひお役立てください。
傾斜対応のシーリングライトと器具を選ぶ
傾斜天井には、傾斜対応の製品を選びましょう。通常の引っ掛けシーリングや直付け式の照明をそのまま取り付けると、角度が合わず照明器具が傾いたり、落下したりとトラブル発生のリスクが高まります。
そのため、商品説明に「傾斜対応」「角度調整可」などの記載があるライトや器具を選びましょう。購入前に、製品仕様のチェックをしっかりと行いましょう。
傾斜用アダプターの活用と取り付け方法
傾斜天井にシーリングライトを取り付ける場合は、「傾斜用アダプター」を使いましょう。このアダプターを活用すると安全に設置できるので、照明器具の選択肢が広がります。
傾斜用アダプターは、「器具の取り付け面を水平に補正する」ことで照明がまっすぐ下を向き、かつしっかり固定できるように設計されています。このアダプターには、大きく分けて以下の2種類があります。
傾斜用アダプターの種類
引っ掛けシーリング対応アダプター | 傾斜天井に取り付けられた引っ掛けシーリング(ローゼット)に直接対応するものおもに軽量な照明器具に使われる |
ダクトレール+傾斜対応ブラケット | ダクトレールを斜め天井に取り付け、その上にスポットライトやペンダントライトを取り付けるタイプより自由度が高く、照明の方向も自在に調整できる |
引っ掛けシーリング対応の傾斜用アダプター取り付けの際には、以下を参考にしてください。
傾斜用アダプターの取り付け手順(引掛シーリング対応タイプ)
天井の傾斜角度を確認する | 多くの傾斜用アダプターは、対応可能な角度が「5度〜45度」などと決まっているため、事前の確認が必要 |
既存の引っ掛けシーリングを確認 | 傾斜天井に引っ掛けシーリングがすでに設置されているかをチェックする。傾斜対応のシーリングでない場合は、電気工事が必要になる |
傾斜用アダプターの取り付け | 天井に設置された引っ掛けシーリングに傾斜用アダプターを取り付ける。器具の種類にもよるが、ほとんどの場合はネジやワンタッチで取り付け可能 |
照明器具の取り付け | 傾斜用アダプターに合わせて、照明器具を水平に固定する。アダプターによる器具の傾き補正の効果できれいに仕上がる |
また、取り付ける照明の重量を超えないようにアダプターの「耐荷重」をしっかり確認してください。このように、傾斜用アダプターを上手に活用すれば、安全かつきれいに設置できます。
傾斜天井へのシーリングライト取り付けを業者に依頼するケース
天井の種類によっては、業者に依頼するのが安心です。高所での作業や下地補強が必要なケースでは、プロの技術が欠かせません。
- 傾斜が30度を超える
- 天井材が石膏ボードで下地がない
- コンクリート製で配線器具がない
上記のような天井は、取り付けの工事が必要になります。まずはできるかどうか、専門の電気工事業者に相談しましょう。
シーリングライト取り付け工事の業者を選ぶポイント

シーリングライトを確実かつ安全に取り付けるには、信頼できる電気工事業者に依頼するのが安心です。しかし、数ある業者の中からどこに依頼すればよいか、迷ってしまうでしょう。
ここでは、料金や対応エリア、口コミ、対応スピードなど、業者選びでチェックすべきポイントを詳しく解説します。納得のいく業者に依頼するために、ぜひ参考にしてください。
実績や専門性を確認する
信頼できる業者を選ぶポイントのひとつは、「施工実績」や「専門資格の有無」を確認することです。電気工事は資格と技術力が問われるため、実績豊富な業者ほど安心できます。
電気工事業者の登録があり、かつ口コミで評価が高い業者を探しましょう。事前にホームページなどで情報を収集しておくとスムーズです。
相見積もりをとって料金を比較する
複数の業者から見積もりを取って、適正価格を見極めましょう。料金やサービス内容は、業者によって差があります。1社だけの見積もりから相場を判断するのは、なかなか難しいものです。
そのため、最低でも2〜3社の相見積もりを取り、金額だけでなく契約内容や対応の丁寧さも比較しましょう。納得のいく業者を選ぶために、相見積もりは押さえておきたいところです。
サービスの充実度を確認する
相見積もりとともに、アフターサービスや保証内容もチェックしましょう。取り付け後の不具合やトラブル対応がしっかりしている業者だと安心感が違います。
設置後の点検サービスや万一の不具合時の無償対応などがあるか、契約する前に質問するのを忘れないようにしましょう。サービスの充実度も、信頼できる業者かどうかを見極める材料になります。
シーリングライト取り付けに関するよくある質問

シーリングライトの取り付けに関して実際に作業を検討し始めると、さまざまな疑問が浮かんできますよね。この章では、シーリングライト取り付けにまつわるよくある質問をまとめて解説します。
シーリングライト取り付けに関するQ&A
Q | A |
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賃貸物件でもシーリングライトを取り付けても大丈夫? | 引っ掛けシーリングがある場合は問題ありません。ただし、ネジ止めや穴あけなどの加工は禁止されていることが多いため、交換する場合は管理会社や大家さんの許可を得てください。ただし、退去時には原状回復が原則なので、注意しましょう。 |
配線器具がぐらぐらしているが大丈夫? | 取り付けが不完全あるいは経年劣化による緩みの可能性があります。取り付けを中止し、配線器具の状態を専門業者に見てもらいましょう。無理に取り付けると落下の危険があります。 |
ライトを取り付けたのに点灯しないのはなぜ? | 配線が接触不良を起こしているか、ライト自体が故障している可能性があります。別のライトで試しても点灯しない場合は業者に相談しましょう。 |
スマートシーリングライトはどの家庭でも使える? | 引っ掛けシーリングがあれば基本的には使用できます。ただし、Wi-Fi環境や専用アプリに対応したスマートフォンが必要です。 |
シーリングライトの取り付けでは、配線器具の種類や設置可否、重さ制限などの基本的な知識が重要です。とくに引掛シーリングの有無は、取り付け可否を左右する大きなポイントです。
購入前には必ず自宅の天井環境をチェックし、必要に応じて専門業者への相談も検討しましょう。
シーリングライトは天井の形状や配線状況を確認してから取り付けよう
シーリングライトを安全に取り付けるためには、天井の形状や配線の状況を事前にしっかり確認することが大切です。取り付けに適さない天井や配線器具があると、事故や故障につながるので、気をつけましょう。
傾斜天井や古い天井、配線器具がないケースでは、アダプターや業者の助けが必要になります。無理なDIYは避け、状況に応じて専門業者への依頼も視野に入れて、安全で快適な照明環境を整えてくださいね。