インターホン設置工事の費用は?自分でできる?工事費込みの料金や依頼先の選び方

インターホン設置工事の費用は?自分でできる?工事費込みの料金や依頼先の選び方

本コラムの見出し

日々の暮らしの安全を守るために不可欠なインターホン。故障や老朽化、あるいは防犯性能の向上を目的として、交換や新規設置を検討する方も多いでしょう。しかし、実際に工事を依頼するとなると、「費用はいくらかかるのか」「自分で交換することはできるのか」といった疑問も浮かぶのではないでしょうか。

この記事では、費用相場からDIYで交換できるケース、信頼できる業者の選び方、費用を安く抑えるコツまで、網羅的に解説していきます。

インターホン設置工事の費用相場をパターン別に解説

インターホン設置工事の費用相場をパターン別に解説

インターホンを交換・設置する際の費用は、選ぶ機種の本体価格と、専門業者に依頼する場合の工事費によって構成されます。費用は工事内容によって大きく変動するため、ご自身の状況がどのパターンに当てはまるかを確認してください。

【合計料金】インターホン交換・設置費用の内訳

インターホンの交換や設置にかかる総額は、「インターホン本体の価格」と「工事費」の2つの要素で決まります。

  • インターホン本体価格

本体価格は、機能によって大きく異なります。音声のみで通話するシンプルなタイプであれば5,000円程度から見つかります。一方、現在主流となっている来訪者の顔を確認できるテレビドアホンは、録画機能付きの標準的なモデルで15,000~40,000円程度が一般的です。

さらに、外出先からスマートフォンで来客対応ができる高機能なモデルになると、70,000円以上するものもあります。

  • 工事費

工事費は、配線工事の有無や電源の方式によって変動し、一般的には8,000~30,000円以上が目安です。既存の設備をそのまま流用できる簡単な交換作業であれば費用は抑えられますが、新たな配線が必要になる場合や、壁に穴を開けるなどの作業が伴う場合は高くなる傾向にあります。

合計料金はインターホンの種類や工事内容によって幅が生じます。

【DIY】自分でインターホンを交換・設置する場合の費用

自分でインターホンの交換作業を行う場合、専門業者に支払う工事費は発生しません。そのため、かかる費用は基本的に「インターホン本体の購入費用」のみとなります。価格帯は前述の通り、5,000円程度のシンプルなものから70,000円を超える高機能なものまでさまざまです。

ただし、作業に必要なドライバーなどの工具が手元にない場合は、別途購入費用がかかる点も考慮しておきましょう。DIYが可能かどうかはインターホンの種類や既存の設備状況によって決まるため、後述する「インターホン工事はDIYできる?」の項目を確認してください。

【業者依頼】工事費込みの費用相場

専門業者に工事を依頼する場合の費用相場は、工事の難易度によって大きく3つのパターンに分けられます。

  • 既存のインターホンと同じタイプに交換(配線工事なし):15,000~40,000円

現在設置されているインターホンと新しいインターホンの配線や電源方式が同じで、既存の配線をそのまま流用できる場合の費用相場です。

  • チャイムからインターホンへ交換(配線工事あり):30,000~60,000円

呼び出し音が鳴るだけのドアチャイムから、通話機能のあるインターホンやテレビドアホンに交換するケースです。この場合、室内親機と玄関子機をつなぐための配線が新たに必要になるため、配線工事費が加算されます。

  • 新規設置や電源方式の変更(大がかりな配線工事あり):50,000~100,000円以上

インターホンが設置されていない場所に新たに取り付ける場合や、コンセントから電源を取る「電源コード式」から、壁の中の配線に直接つなぐ「電源直結式」へ変更する場合などが該当します。

配線工事が必要になるケースと追加費用

配線工事が必要になるのは、主に以下のようなケースです。

  • ドアチャイムからインターホンに交換する
  • インターホンを新しい場所に移設・増設する
  • 既存の配線が劣化や断線で使えない
  • 電源直結式のインターホンを設置する際に、近くに電源がない

これらのケースでは、通常の交換工事費に加えて、10,000~30,000円程度の追加費用が発生するのが一般的です。配線を壁の中に隠す「隠蔽配線」か、配線カバー(モール)を使って壁の表面を這わせる「露出配線」かによっても、費用や作業時間は変動します。

インターホン工事はDIYできる?可能なケースと手順を解説

インターホン工事はDIYできる?可能なケースと手順を解説

インターホンの交換は、自分で行える場合と、法律上「電気工事士」の資格を持つ専門業者でなければ行えない場合があります。安全かつ適切に交換するためにも、その違いを正確に理解しておきましょう。

自分で交換できるインターホンの種類

DIYでの交換が可能なのは、以下の条件を両方満たしている場合に限られます。

  • 既存のインターホンと新しいインターホンの配線が同じである場合

室内親機と玄関子機をつなぐ配線が、既存のものと新しいもので同じ本数・種類であれば、既存の配線をそのまま利用できます。この場合、新たな配線工事は不要です。

  • 親機が「電源コード式(コンセント式)」である場合

室内親機の電源が、家電製品のようにコンセントにプラグを差し込む「電源コード式」であれば、資格がなくても交換作業が可能です。作業はコンセントからプラグを抜くことで安全に電源を遮断できるため、専門的な知識がなくても対応できます。

業者への依頼が必須なケース

以下のケースに当てはまる場合は、DIYでの作業は行えません。感電や火災の危険があるだけでなく、法律に抵触する可能性があるため、専門業者に依頼してください。

  • 親機が「電源直結式」の場合

室内親機が壁の中の電線に直接接続されている「電源直結式」の場合、その取り外しや取り付け作業は「電気工事」に該当します。この工事は電気工事士の資格を持つ人でなければ行えず、無資格者が作業を行うと電気工事士法に違反します。

  • 新たに配線工事が必要な場合

チャイムからインターホンへの変更や、インターホンの移設などで、壁の中に新たに配線を通す作業も電気工事士の資格が必要です。また、電源を確保するために分電盤を操作するような工事も、同様に専門家でなければ行えません。

出典:経済産業省「電気工事士法」

自分でインターホンを交換する手順と注意点

DIYでインターホンを交換する際の基本的な手順は以下の通りです。

  1. 安全の確保

感電を防ぐために古いインターホン親機の電源プラグをコンセントから抜きます。念のため、ブレーカーも落としておくとより安全です。

  1. 古い親機の取り外し

壁に取り付けられている親機本体を、固定しているネジなどを緩めて取り外します。本体の裏側には玄関子機につながる配線が接続されているので、断線させないように注意しながら、ネジを緩めて配線を外します。

この時、どの色の線がどの端子に接続されていたか、スマートフォンで写真を撮ったり、テープに印をつけたりしておくと、後の作業がスムーズです。

  1. 古い玄関子機の取り外し

屋外に出て、玄関子機のネジを緩めて壁から取り外します。裏側に接続されている配線を、親機と同様にどの線がどの端子につながっていたか記録しながら外します。

  1. 新しい玄関子機の取り付け

古い玄関子機を外した時と逆の手順で、新しい玄関子機に配線を接続し、壁にしっかりと固定します。防水のために、壁との隙間をコーキング材で埋める必要がある場合もあります。

  1. 新しい親機の取り付け

記録しておいた通りに、玄関子機からの配線を新しい親機に接続します。その後、取り付け金具を壁に固定し、親機本体を設置します。

  1. 動作確認

すべての取り付けが完了したら、親機の電源プラグをコンセントに差し込み、ブレーカーを元に戻します。玄関子機の呼び出しボタンを押し、親機が正常に鳴動するか、通話や映像が問題なく機能するかを確認して作業完了です。

インターホン交換・取り付けの依頼先はどこがいい?

インターホン交換・取り付けの依頼先はどこがいい?

インターホン工事を専門業者に依頼する場合、どこに頼むかによってサービス内容や費用が異なります。それぞれの依頼先の特徴を理解し、自分に合った業者を選びましょう。

依頼先ごとのメリット・デメリット

主な依頼先のメリット・デメリットは以下の通りです。

依頼先メリットデメリット
電気工事会社電気工事士が在籍し、専門的な技術力が高い地域密着型の場合、迅速な対応やアフターフォローが期待できる工事費が割高な場合がある会社ごとに料金体系が異なる
ホームセンター本体購入と工事依頼を同時に行えるDIYで設置する場合の工具や部材も一緒に揃えられる工事は下請け業者に委託されることがほとんど専門知識を持つ店員が少なく、詳細な相談が難しい場合がある
家電量販店豊富な機種から実物を見て選べる本体の購入から工事依頼までを一度に済ませられる工事は下請け業者が行うため、担当者を選べない工事費が割高な場合がある
インターホン専門業者インターホンに特化しており、専門知識や施工実績が豊富ウェブサイトで口コミや実績を確認しやすい業者の数が限られている工事費が割高な場合がある

それぞれに異なる特徴があるため、希望や状況に合わせて依頼先を選ぶことが重要です。

信頼できる業者を選ぶためのチェックポイント

業者選びで後悔しないために、以下の4つのポイントを確認しましょう。

  • 電気工事士の資格を保有しているか

電源直結式の工事など、資格が必須の作業を依頼する場合、業者が「電気工事士」の国家資格を保有しているかが条件です。

  • 見積もりの内容が明確か

提示された見積書に、何にいくらかかるのかが具体的に記載されているかを確認します。「工事一式」といった曖昧な表記ではなく、「本体代」「基本工事費」「配線工事費」「出張費」など、項目別に分かれているのが理想的です。

  • 実績や口コミが豊富か

業者の公式サイトで、過去の施工事例を確認すると技術力の目安になります。また、第三者が運営する口コミサイトのレビューなども参考にし、実際に利用した人の評価をチェックするのも有効です。

  • 保証やアフターサービスは充実しているか

工事が完了した後で不具合が発生した場合に、どのような対応をしてくれるのかも重要です。保証期間や保証内容を書面で明確に提示してくれる業者を選びましょう。

これらをチェックしておくことで、安心して工事依頼ができます。不明点があれば業者に質問し、その対応も判断材料になります。

インターホンの交換・設置費用を安く抑える3つのコツ

インターホンの交換・設置費用を安く抑える3つのコツ

専門業者に依頼する場合でも、いくつかの工夫をすることで費用を抑えることが可能です。ここでは、その代表的な3つの方法を紹介します。

複数の業者から相見積もりを取る

見積もりを取る際は、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」が基本です。最低でも3社程度の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較検討しましょう。

ただし、単に総額の安さだけで判断するのではなく、見積もりの詳細な内訳や、担当者の対応の丁寧さ、保証内容なども含めて総合的に判断することが大切です。

インターホン本体を自分で用意する(施主支給)

工事だけを業者に依頼し、インターホン本体は自分で別途購入して支給することを「施主支給」と呼びます。インターネット通販や家電量販店のセールなどを利用して本体を安く購入できれば、総額を抑えられる可能性があります。

ただし、業者によっては施主支給に対応していない、あるいは別途手数料がかかる場合があるので注意が必要です。また、購入した製品が設置場所に適合しなかった場合や、製品の初期不良があった場合の責任の所在が曖昧になりやすいため、事前に業者へ施主支給が可能かどうか、そしてその際の条件を詳しく確認しておくとよいでしょう。

地域の補助金制度を確認する

お住まいの自治体によっては、防犯設備の設置に対して補助金や助成金制度を設けている場合があります。自治体のホームページや広報誌で確認できるほか、地域の相談窓口で情報を得ることも可能です。

申請期間や条件、予算上限が定められていることが多いため、工事を計画する早い段階で情報収集を始めましょう。

インターホンの種類と選び方のポイント

インターホンの種類と選び方のポイント

インターホンと一括りに言っても、その種類は多岐にわたります。ここでは主な種類と、ご自身のライフスタイルに合わせた選び方のポイントを解説します。

インターホンの主な種類

インターホンは、搭載されている機能によって大きく4つの種類に分けられます。

種類特徴
音声インターホン来訪者と音声のみで会話する最も基本的なタイプ機能がシンプルで価格が安いが、相手の顔が見えない
テレビドアホン室内のモニターで玄関先の来訪者の顔を映像で確認できるタイプで現在の主流録画機能が搭載されているものも多い
ワイヤレスインターホン設置が簡単でDIYにも向いている電波で通信するため、建物の構造や障害物によって通信が不安定になることも
スマホ連動インターホン専用アプリを入れたスマートフォンで、外出先からでも来客対応ができる高機能モデルインターネット環境が必要

特徴を確認して、家庭の状況や用途に応じた適切な選択をしましょう。

ライフスタイルに合ったインターホンの選び方

どの種類のインターホンが適しているかは、家庭の状況や何を重視するかによって異なります。

  • 防犯性を重視するならテレビドアホン

不審者や悪質な訪問販売への対策を第一に考えるなら、来訪者の顔をはっきりと確認・記録できる録画機能付きのテレビドアホンが適しています。

  • 小さなお子様や高齢者がいる家庭なら大画面モニター

お子様だけで留守番をする機会がある家庭や、高齢の方がお住まいの場合、画面が大きく、操作ボタンがわかりやすいユニバーサルデザインの機種を選ぶと安心して使えます。

  • 外出が多い、宅配便をよく利用するならスマホ連動インターホン

共働きで日中家を空けることが多い家庭や、オンラインショッピングなどで宅配便の利用頻度が高い方には、スマホ連動インターホンが便利です。外出先からでもリアルタイムで応答したり、子どもの帰宅を外出先から確認したりといった使い方も可能です。

インターホンの交換に関するよくある質問(FAQ)

インターホンの交換に関するよくある質問(FAQ)

インターホンの交換に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で回答します。

賃貸物件のインターホンが故障した場合はどうすればいい?

契約書を確認の上、大家さんや物件の管理会社に連絡して指示を仰ぎましょう。賃貸物件のインターホンは、エアコンや給湯器などと同様に「建物の設備」の一部と見なされます。そのため、経年劣化による故障の修繕義務は、原則として貸主(大家さん)にあります。

自分で勝手に業者を手配して交換してしまうと、その費用が自己負担になるだけでなく、退去時に元の状態に戻す「原状回復義務」を問われる可能性もあるので注意しましょう。

出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

工事時間はどのくらいかかる?

工事にかかる時間は、その内容によって大きく異なります。既存のインターホンを、配線をそのまま利用できる同じタイプの新しいものに交換するだけであれば、作業は比較的簡単で、30分~1時間半程度で完了することがほとんどです。

一方で、チャイムからの交換や移設などで新たに配線工事が必要になる場合は、壁の中での作業などが伴うため、2時間~半日程度かかることもあります。

ワイヤレスインターホンなら工事不要?

多くの場合で配線工事は不要です。親機も子機も乾電池で動作するタイプや、親機が充電式のワイヤレスインターホンであれば、玄関子機を壁にネジなどで取り付けるだけの簡単な作業で済みます。

ただし、ワイヤレスインターホンの中にも、玄関子機を既存のドアホン配線に接続して電源を供給するタイプも存在します。完全に配線工事が不要なモデルを希望する場合は、購入時に電源方式をしっかりと確認することが重要です。

インターホンの設置工事は状況に合わせた方法を選ぼう

インターホンの交換・設置にかかる費用は、インターホン本体の機能と工事の規模によって大きく変動します。自宅の電源方式(コンセント式か直結式か)を確認し、DIYが可能か、それとも専門業者への依頼が必要かどうかを見極めましょう。

また、業者に依頼する際は、複数の業者から相見積もりを取り、料金だけでなく実績や保証内容まで含めて総合的に比較することで、納得のいく工事につながります。インターホンを選ぶ際には、防犯・利便性・家族構成といった自身のライフスタイルを考慮することで、交換後の満足度は大きく高まるでしょう。

この記事の情報を参考に、自身の状況に合わせた方法を選び、安心で快適な暮らしを実現してください。

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