引っ掛けシーリングの種類と選び方|取り付けや交換方法も解説

引っ掛けシーリングの種類と選び方|取り付けや交換方法も解説

本コラムの見出し

引っ掛けシーリングは、家庭の照明器具に用いられている一般的な電気接続方式です。さまざまな種類があり、「自分の部屋にあるのはどの種類なのか」「どの照明器具を選べばいいかわからない」と悩みますよね。

そこで本記事では、引っ掛けシーリングの種類や照明器具の選び方、交換方法などをわかりやすく解説します。

引っ掛けシーリングとは?

引っ掛けシーリングとは?

引っ掛けシーリングとは、天井に設置される「照明器具用の電源接続口(配線器具)」の一種。日本の家庭やオフィスなどで広く使用されています。

照明器具の先端に付いているプラグを引っ掛けシーリングに「差し込んで回すだけ」で、接続が完了する簡単な仕組みです。そのため、特別な工事や工具を使わずに照明の取り付け・交換ができるのが最大の特徴。

また、引っ掛けシーリングは規格化されているため、多くの市販の照明器具がこの規格に対応しています。そのため、気分や模様替えに合わせた照明器具の交換が可能です。

以前は照明器具を取り付ける際に、天井の配線に直接コードをつなげる作業が必要でした。しかし、これは電気工事の知識や技術がないと、感電やショート、火災などの可能性があり危険な作業となります。

引っ掛けシーリングの登場によって、誰でも安全に照明器具の交換ができるようになったのです。


引っ掛けシーリングの種類

引っ掛けシーリングの種類

引っ掛けシーリングには、いくつかの種類があり、それぞれ形状や耐荷重が異なります。自宅にどのタイプの引っ掛けシーリングが設置されているかを知ることは、照明器具を選ぶうえで大事なポイントです。

ここでは、おもな引っ掛けシーリングの種類を解説します。

丸型引掛シーリング

丸型は、もっとも一般的に普及している引っ掛けシーリングです。

丸型引掛シーリングの特徴と種類

種類特徴
露出型・・・天井から飛び出すように取り付けられているタイプ。ケーブルが引っ掛けシーリングの側面から直接出ている埋込型・・・シーリングの一部が天井に埋め込まれ、本体の大部分が天井面にぴったりと沿っているタイプ。外から見ると、丸いカバーのように見える直径およそ6.5cm程度の円盤状比較的軽量な照明器具向け(一般的には5kgまで)

多くの市販の照明器具は、このタイプに対応しています。

角型引掛シーリング

角型は、丸型に次いで普及しているタイプで、四角い形状をしています。

角型引掛シーリングの特徴と種類

種類特徴
丸型と同様に露出型と埋込型がある一辺がおよそ4.3cm程度の四角い形状比較的軽量な照明器具向け(一般的には5kgまで)

最近では、丸型と角型の両方に対応した照明器具がほとんどです。

引っ掛け埋め込みローゼット

丸型・角型引掛シーリングよりも、より重い照明器具の取り付けに対応できるタイプです。

引っ掛け埋め込みローゼットの特徴と見分け方

特徴見分け方
丸型引掛シーリングよりも一回り大きく、直径がおよそ13.4cm程度ハンガー(フック)が一体になっていることが多く、このフックに照明器具を吊り下げて固定する一般的には、耐荷重が6kg以上、最大で10kg程度まで対応可能ペンダントライトなどの吊り下げ式の照明器具や、重いシーリングライトの設置によく用いられる丸型引掛シーリングより明らかに大きく、側面に電線が挿入される穴と、その下部に金具を引っ掛けるための「ハンガー」(フックのような部分)がある

引っ掛け埋め込みローゼットは、天井にしっかりと固定されているため安定感があり、デザイン性の高い重めの照明器具を安心して取り付けられます。

フル引っ掛けローゼット

引っ掛け埋め込みローゼットと同様に、重い照明器具に対応できるタイプです。

フル引っ掛けローゼットの特徴と見分け方

特徴見分け方
天井に完全に埋め込まれるため、外観が非常にすっきりしている。シーリング本体の露出部分が少なく、フラットな見た目になるハンガー(フック)が一体になっていることが多く、このフックに照明器具を吊り下げて固定する一般的に耐荷重が6kg以上、最大で10kg程度まで対応できるハンガー付きのものと、ハンガーなしのものがある。ハンガー付きの方がより重い照明器具の固定に適している天井に大きな穴を開け、その中にシーリング本体を埋め込んでいる。外から見えるのは丸い縁の部分と、中心の差し込み口のみハンガーの有無は、中心の差し込み口の周りにフック状の金具が出ているかどうかで判断する

フル引っ掛けローゼットが設置されている場合、選べる照明器具の幅が広がり、デザイン性の高いさまざまな照明を楽しめます。

引っ掛けシーリングに合う照明器具の選び方

引っ掛けシーリングに合う照明器具の選び方

照明器具を自分で取り付ける際、もっとも大切なのは「購入したい照明器具が自宅の引っ掛けシーリングに適合するか」という点です。この確認をおこたると、せっかく購入した照明器具が取り付けられない、ぐらついて危険、といったトラブルにつながりかねません。

ここでは、失敗しないための照明器具選びのポイントをみていきましょう。

取り付け可能な器具のタイプを確認

照明器具を選ぶ前に、自宅の天井にどの種類の引っ掛けシーリングが付いているかを、しっかり確認しましょう。まずは、照明器具を取り付けるうえで、この「オス」と「メス」の関係を理解しておきます。

引っ掛けシーリング(メス)の形状を把握すると、適合するオス側のコネクタ選びに迷わずにすむので、押さえておきたいポイントです。

メス(受け口)

メスとは、天井にしっかりと固定されている引っ掛けシーリング本体のこと。この部分が住宅の電気配線と直接つながっており、照明器具に安全に電気を供給するための重要な役割を担っているのです。

照明器具の「オス」のプラグを受け入れるための複数の差し込み穴や、照明器具をカチッとロックするための溝が設けられています。単に電気を供給するだけでなく、照明器具の重さを支える、まさに天井と照明器具をつなぐ「要」となる部分です。

オス(差し込み口・プラグ)

オスは、照明器具側の先端部分に位置するコネクタであり、天井の引っ掛けシーリング(メス)に差し込まれる側の部品です。この形状は、引っ掛けシーリング(メス)の形状と完全に合致するように設計されています。

受け口に差し込み、カチッと音がするまで時計回りに回転させるだけで、電気の接続が完了し、照明器具が天井にしっかりと固定されます。このシンプルな仕組みにより、専門的な電気工事が不要で、誰もが安全かつ手軽に照明器具の交換を行うことができるのです。

このように、オスとメスの組み合わせが適切でないと、電気が流れないだけでなく、照明器具が落下する危険性もあります。そのため、照明器具を購入する際は、プラグの形状が、自宅に設置されている受け口の形状に適合しているかを確認しましょう。

照明器具の重量と耐荷重を確認

照明器具を選ぶうえで、意外と見落とされがちなのが「重さ」と「引っ掛けシーリングの耐荷重」の確認です。気に入った照明器具の重量がオーバーしていた、ということにならないよう、注意しましょう。

引っ掛けシーリングの耐荷重は、以下のとおりです。

引っ掛けシーリングの耐荷重の目安

丸型・角型引掛シーリングフル引掛ローゼット、引掛埋込ローゼット
一般的に5kgまでが目安一般的に6kg〜10kgまで対応できるものが多い。ハンガー付きの場合は、より重い照明器具に対応できる

また、照明器具の仕様(スペック)には、「本体重量」が記載されています。この重量が、自宅の引っ掛けシーリングの耐荷重を超えていないか、確認してください。

耐荷重を超える照明器具を取り付けると、引っ掛けシーリングが破損して照明器具が落下したり、天井が破損したりする重大な事故につながる可能性があります。もし、取り付けたい照明器具が耐荷重を超える場合は、専門の電気工事業者に依頼しましょう。

自宅に引っ掛けシーリングがない場合は?

自宅に引っ掛けシーリングがない場合は?

天井照明を取り付けようとした際に、「引っ掛けシーリングが付いていない!」と気づくことがあります。とくに築年数の古い住宅や賃貸物件では、こうしたケースも珍しくありません。

ここでは、引っ掛けシーリングがない場合の対処法を解説します。

天井配線の状況を確認する

まずは、天井の照明取り付け部に「電源線(黒・白の電線)」だけが出ているのか、別の器具が設置されているのかを確認しましょう。

配線器具や古いローゼットが付いている場合は、状態により引っ掛けシーリングへ交換可能です。電源線しかない場合は、引っ掛けシーリングの後付け設置が必要になります。

後付け作業は、電気工事士の資格を持った業者に依頼しましょう。短時間で作業が完了するうえ、安全性も確保されます。

  • 地域の電気工事店
  • 家電量販店の電気工事サービス
  • リフォーム業者
  • インターネットの電気工事マッチングサービス

など、信頼できる業者に相談してみましょう。

賃貸物件などで工事ができない場合

賃貸住宅や一時的な仮住まいなどでは、電気工事を伴う取り付けができないことがほとんどです。その場合には、以下のような代替手段があります。

スタンドライト・フロアランプの活用

工事不要でコンセントに挿すだけの照明器具を活用しましょう。多灯式や調光機能付きの製品などさまざまな種類があり、部屋の明るさを調整できます。

つっぱり棒タイプの照明設置器具

天井を傷つけずに照明を吊るせる「つっぱり式照明スタンド」なども人気です。電源は別途、延長コードなどでつなげます。

バッテリー式・USB充電式の簡易照明

玄関や廊下など、常設が難しい場所には、電池式やUSB充電式のLEDライトが便利です。

引っ掛けシーリングは自分で取り付け・交換できる?

引っ掛けシーリングは自分で取り付け・交換できる?

引っ掛けシーリングは、自分で「取り付けや交換ができること」と「できないこと」が明確にわかれています。この点を正しく理解しておきましょう。

取り付けは電気工事士の資格が必要

天井の配線に直接触れる「引っ掛けシーリング本体の取り付けや交換」は、「電気工事」にあたります。そのため、「電気工事士」の国家資格が不可欠です。

無資格者がこれらの作業を行うことは、法律で禁止されています。電気工事は、専門的な知識と技術が求められる作業です。無資格者が作業を行うと、以下のような重大なリスクや問題が発生する可能性があるので、注意しましょう。

無資格者が電気工事を行う場合のリスク

リスク
感電事故接続している電線に触れることで感電し、命に関わる事故につながる
火災配線不良や接続の不備があると、ショートや過熱を引き起こし、火災の原因になる
漏電絶縁不良などにより漏電が発生し、他の電気製品が故障する

また、無資格での電気工事は「電気工事士法」に違反するため罰則の対象になります。資格が必要な作業内容は、以下のとおりです。

<資格が必要な作業>

  • 天井に新たな引っ掛けシーリングを設置する
  • 既存の引っ掛けシーリングが破損している
  • 新しい本体に交換する
  • 直付け(天井に直接配線が接続されている)の照明器具を外し、引っ掛けシーリングを設置する
  • 耐荷重不足でより強度の高いローゼット(フル引掛ローゼットや引掛埋込ローゼット)に交換する

事故を起こさないためにも、しっかり確認しましょう。

自分で照明器具を付け替える方法

照明器具を天井に設置されている引っ掛けシーリングに接続する(取り付ける、または交換する)作業は、電気工事士の資格がなくても自身でできます。

これは、照明器具の取り付け部分(オス側)を、天井の引っ掛けシーリング(メス側)に差し込んでカチッと回すだけで、電気的な接続と器具の固定が完了するように設計されているためです。

自分でできる作業としては、まず電球やLEDランプを交換することや、引っ掛けシーリングに新たにペンダントライトや簡易取付型のダクトレールを取り付けるくらいです。ただし、以下の点に注意しましょう。

自分で照明器具を付け替える際の注意点

注意点
ブレーカーを落とすのを忘れない感電防止のため、作業前には部屋の照明のブレーカーを「切」にする
脚立などで安定した足場を確保する高い場所での作業になるため、ぐらつかない安定した脚立を使用し、無理な姿勢で作業しないようにする
照明器具の重さを確認する取り付ける照明器具の重さが、設置されている引っ掛けシーリングの耐荷重を超えていないかしっかり確認する。耐荷重オーバーは落下の原因となり非常に危険
説明書をしっかり確認する購入した照明器具の取り付け説明書をよく読み、手順どおりに正確に取り付ける

引っ掛けシーリングの種類に応じた照明器具を選ぼう

引っ掛けシーリングは照明器具の取り付けに不可欠なパーツであり、その種類や構造を理解しておくことは、快適な住環境づくりに直結します。

自宅の天井にどのタイプの引掛シーリングが設置されているかを把握し、それに合った照明器具を選ぶことで、無駄な出費や設置ミスを避けられます。取り付けや交換を検討している場合は、必要に応じて専門業者に依頼しましょう。

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