電気の配線工事の料金相場とは?費用内訳・見積・業者選びについて解説

電気の配線工事の料金相場とは?費用内訳・見積・業者選びについて解説

本コラムの見出し

電気配線工事は、家庭やオフィスで快適な生活環境を整えるために欠かせない作業です。コンセントやスイッチの設置から照明器具の取り付け、エアコンやLANネットワークの配線まで、幅広い施工内容があります。しかし、具体的な料金相場や費用内訳については、あまり知られていないのではないでしょうか。

この記事では、施工内容別の料金相場や建物ごとの費用、業者選びのポイントについて詳しく解説します。また、見積もり例や注意点、電気工事を依頼する際に役立つ情報も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

電気の配線工事とは?

電気の配線工事とは?

電気の配線工事とは、住宅やマンションなどの建物内に電気を供給するための電線や配線器具を設置する工事のことを指します。具体的には、コンセントやスイッチの取り付け、照明器具の設置、ブレーカーの交換、エアコン用の専用回路の設置などが含まれています。

これらの工事は電気を安全に使用するための基盤となる作業であり、専門的な知識と技術が必要です。一般的に、電気配線工事は電気工事士の資格を持つ専門業者が行います。

電気配線工事は建物の新築時だけでなく、リフォームや設備の更新時にも必要となることがあります。電気工事は素人が行うと非常に危険なため、専門業者に依頼しましょう。

施工内容別:電気配線工事の料金相場

施工内容別:電気配線工事の料金相場

電気配線工事の料金相場は施工内容によって大きく異なります。以下では、主な施工内容別に料金相場を解説していきます。料金は地域や業者によって異なる場合があるので注意してください。

コンセント・スイッチ関連工事

コンセントやスイッチ関連の工事は最も一般的な施工内容です。コンセント交換は1個あたり3,500〜10,000円、コンセント増設は既設コンセント近くでは6,000円程度、同室内や隣室では9,000円程度が目安です。

また、スイッチ交換は3,000〜5,000円程度、スイッチ新設は7,000〜30,000円程度が目安でしょう。調光機能付きなどの特殊なスイッチや、屋外用コンセントの場合は費用が高くなる傾向があります。

照明器具関連工事

照明器具関連の費用は、照明器具取り付けが1台あたり5,000円程度、シーリングライト交換など複雑な作業の場合は10,000円以上かかることもあります。

シャンデリアなどの大型照明器具の設置やLED照明への交換は、初期費用が高くなる傾向があります。

エアコン関連工事

エアコン設置に関連する電気工事の料金相場は、設置場所や建物の状況によって異なります。エアコン用の専用回路を新設する場合、20,000〜35,000円程度が一般的な相場です。既存の配線を利用できる場合は安価になりますが、分電盤からの距離が遠い場合は配線工事が複雑になり、費用が高くなる傾向があるでしょう。

また、エアコン用のコンセントを増設する工事は、10,000〜20,000円程度が相場となっています。エアコンは消費電力が大きいため、専用の回路やコンセントが必要になることが多いのが特徴です。大型のエアコンや業務用エアコンの場合は、電気容量の増設工事が必要になることもあり、その場合は追加で50,000〜100,000円程度の費用がかかることもあるでしょう。

LAN・ネットワーク関連工事

LANケーブルの配線工事は、1か所あたり10,000〜20,000円程度が相場です。壁や天井の中を通す場合は費用が高くなり、露出配線の場合は比較的安価に済むことが多いでしょう。Wi-Fiルーターやアクセスポイントの設置工事は、機器の価格を除いて5,000〜15,000円程度です。

宅内全体にネットワーク環境を整備する場合は、複数のLANケーブル配線や中継機器の設置が必要になり、総額で50,000円〜100,000円程度かかることもあるでしょう。マンションなど集合住宅の場合、建物の構造上の制約により工事が複雑になることがあり、費用が高くなることもあります。

ブレーカー関連工事

ブレーカーに関する工事は、状況によって費用が大きく異なります。漏電ブレーカーの交換工事は、15,000〜30,000円程度、分電盤全体の交換工事は、50,000〜100,000円程度が相場です。また、電気容量を増やすアンペアブレーカーの交換工事は、20,000〜40,000円程度が相場といわれています。

また、電力会社への申請手続きが必要な場合もあり、その場合は別途手数料がかかることがあります。

防犯器具関連工事

防犯カメラの設置工事は、1台あたり15,000〜30,000円程度が相場です。配線工事や録画機器の設置も含めると、総額で50,000円程度かかることもあるでしょう。センサーライトの設置工事は、1台あたり5,000〜10,000円程度です。

インターホンの設置や交換工事は、20,000〜40,000円程度が一般的な相場です。複数の部屋に子機を設置する場合は、追加費用がかかることを考慮する必要があるでしょう。

その他の工事

その他の電気配線工事として、主に以下の種類があります。

  • 床暖房の電気工事:1平方メートルあたり10,000~20,000円程度
  • 電気温水器の設置工事:30,000~50,000円程度
  • IHクッキングヒーターの設置工事:20,000~40,000円
  • 太陽光発電システムの接続工事:100,000~200,000円程度
  • EV充電設備の設置工事:50,000~100,000円程度

近年はスマートホーム関連の配線工事も増えており、家全体の電気配線を見直す大規模な工事になることもあります。

建物別:電気配線工事の費用

建物別:電気配線工事の費用

建物の種類や状況によって、電気配線工事の費用は大きく異なります。建物のタイプ別に電気配線工事の特徴や料金相場を解説しましょう。

戸建て住宅の場合

戸建て住宅での電気配線工事は、木造と鉄筋コンクリート造など、その構造や規模によって費用が変動します。

木造住宅は配線を通すスペースが比較的確保しやすく、施工が簡単なため費用が抑えられる傾向があります。配線工事のみでは30,000円〜、コンセント・照明器具設置を含む場合では100,000〜120,000円程度でしょう。

鉄筋コンクリート構造の場合、配線を通すために壁や天井への穴あけ作業が必要になることが多く、施工に手間がかかります。そのため木造住宅よりも高額になる場合が多いです。配線工事のみでは50,000円〜、コンセント・照明器具設置を含む場合では150,000〜200,000円程度になることがあります。

マンション・アパートの場合

マンションやアパートでは、専有部分と共用部分で工事内容が異なります。専有部分の工事は住人自身で依頼できることが多いですが、共用部分の工事には管理組合などの許可が必要です。

専有部分の工事費用として、たとえばコンセント増設は10,000〜30,000円程度、照明器具取り付けは5,000〜20,000円が相場です。

また、マンションでは配線を隠ぺいする設計になっていることが多いため、隠ぺい配線工事が必要な場合には追加費用(20,000〜50,000円程度)が発生することがあります。

古民家の場合

古民家での電気配線工事は、既存設備の老朽化や特殊な構造による制約から、通常よりも高額になる傾向があります。また、安全性を確保するために全面的な電気設備の更新が必要になるケースもあります。

全面改修の場合では、古い配線をすべて撤去し新しい配線を敷設するのに、100,000〜300,000円程度かかるのが一般的です。とくに天井裏や壁内にアクセスしづらい場合には追加費用が発生します。

一部のみ改修する場合でも、古い設備との調整作業が必要なため割高になる傾向があるでしょう。たとえば、コンセント増設やスイッチ交換のみでも20,000円〜50,000円程度かかることがあります。

リフォームの場合

リフォーム時の電気配線工事は、新築時と異なり既存設備との調整が必要となるため、手間と費用がかかりやすくなります。とくにキッチンや浴室など、水回りのリフォームでは専用回路の増設など追加作業が発生することがあります。

キッチンリフォームでは、専用回路新設で20,000〜40,000円、全体的な電気工事費で50,000〜150,000円程度です。浴室暖房乾燥機や防水仕様の照明器具などを取り付ける浴室リフォームでは、30,000〜80,000円程度でしょう。

家全体のリフォームに伴う電気配線工事では、新しい分電盤への交換や全体的な配線見直しが必要となります。この場合、総額で200,000〜500,000円程度になることがあります。

電気工事料金表の見方と注意点

電気工事料金表の見方と注意点

電気工事の料金表は業者によって表記方法や内容が異なる場合があります。ここでは、一般的な電気工事料金表の項目と、料金を確認する際の注意点について解説します。

電気工事料金表の項目

電気工事料金表には、一般的に以下の項目が記載されています。

  • 基本工事費:出張費や基本的な作業の費用。地域や業者によって異なりますが、3,000〜10,000円程度が相場です。
  • 技術料:電気工事士の技術に対する対価。日当換算では18,000~20,000円程度が相場です。
  • 材料費:コンセントやスイッチ、配線材などの部材費用。使用する部材の種類や品質によって大きく異なります。
  • 諸経費:運搬費や廃材処理費、保険料などの間接費用。工事金額の10〜20%程度が相場となっています。
  • 出張費:業者が現場に出向くための交通費。距離に応じて変動することが多いです。

電気工事の料金表は、工事内容や地域、業者によって差があります。

注意点

電気工事の料金を確認する際にはいくつかの注意点があります。まず、見積もり内に不明瞭な項目がないか確認しましょう。「一式」と書かれた項目は内訳が不明確なため、具体的な作業内容や使用部材を詳細に確認することが必要です。

次に、諸経費や出張費が適正価格であるかチェックすることも大切です。諸経費が工事金額の20%を超える場合は、その理由を業者に確認するとよいでしょう。また、必要以上に高額な部材使用料などが含まれていないか確認することも重要です。

工事完了後の清掃や原状回復費用が含まれているかどうかもチェックしましょう。工事後の片付けや清掃が別料金になっている場合もあります。また、見積もりと実際の請求額に大きな差が出ないよう、事前に追加費用が発生する可能性がある項目について確認しておくと安心です。

電気工事業者の選び方

電気工事業者の選び方

電気工事業者によって、工事の品質や安全性、費用対効果が異なることがあります。ここでは、信頼できる電気工事業者を選ぶためのポイントを詳しく解説します。

資格と免許の確認

業者選びでは第一に資格保有者であることを確認しましょう。電気工事士免許を持つ業者であれば安心して依頼できます。また、高圧電力設備など特別な資格を要する場合もあるため注意してください。

実績と経験の評価

過去に同様の施工実績がある業者を選ぶことでトラブル回避につながります。実績豊富な業者ほど信頼性が高くなる傾向があります。業者のWebサイトやパンフレットに掲載されている施工事例を確認し、実際の工事の写真や詳細な説明があるかどうかをチェックするとよいでしょう。

口コミと評判のチェック

口コミサイトやレビューを参考に信頼性を確認しましょう。工事の丁寧さ、対応の親切さ、アフターサービスの質などについての口コミは参考になると考えられます。ただし、インターネット上の口コミには、極端に良い評価や悪い評価が含まれることがあるため、複数の情報源から総合的に判断することが重要です。

対応力と姿勢の確認

問い合わせ時に迅速かつ丁寧な対応をしてくれる業者は信頼性が高いといえます。また、現地調査や見積もり作成の際に、詳細な説明や提案をしてくれるかどうかも重要なポイントです。質問や不安点に対して真摯に応答し、必要に応じて専門的な知識をわかりやすく説明してくれる業者は優良といえるでしょう。

保証制度の有無

施工後に問題が発生した際に対応してくれる保証制度がある業者を選ぶことが重要です。保証期間や条件、対応手順や連絡方法についても確認しておきましょう。

電気工事の見積もり例とポイント

電気工事の見積もり例とポイント

電気工事の実際の見積もり例を示しながら、チェックすべきポイントを詳しく説明しましょう。

見積もりの例

スイッチ・コンセント工事の見積もり例を見てみましょう。工事内容はスイッチ交換・コンセント増設、対象場所は戸建て住宅のリビング部分を想定しています。

名称摘要数量単位単価(税別)合計(税別)
スイッチ配線工事通常スイッチ交換23か所¥2,100¥48,300
三路スイッチ配線工事複数箇所操作可能8か所¥3,000¥24,000
コンセント増設工事隠ぺい配線3か所¥6,600¥19,800
基本作業費出張・調査費用1¥8,000¥8,000
総合計¥100,100

上記は一例です。電気工事の見積もりは、工事内容や地域条件によって大きく変動します。

見積もりのポイント

電気工事の見積もりを確認する際は、以下のポイントをチェックするとよいでしょう。

工事項目ごとの明細

見積もりを確認する際は、工事項目ごとの明細が詳細に記載されているかどうかを確認することが重要です。「電気工事一式」などの曖昧な表現ではなく、「コンセント増設(2口)3か所」「ブレーカー交換(20A)1か所」など、具体的な内容と数量が明記されているか確認しましょう。明細が不明確な見積もりは、後々のトラブルの原因になる可能性があります。

諸経費の妥当性

電気工事の見積もりに含まれている、諸経費の内容と金額の妥当性を確認しましょう。諸経費には、通常、交通費、廃材処理費、現場の清掃費、保険料などが含まれています。諸経費は工事の規模によって異なりますが、工事金額の10〜20%程度が相場です。この範囲を大きく超える場合は、その理由を業者に確認すると安心です。

料金の透明性

信頼できる業者の見積もりであれば、料金体系が明確で、追加費用が発生する可能性がある場合はその条件も明記されています。「一式」という表記が多用されている見積もりは、内容が不透明で後から追加費用を請求される可能性があるため注意が必要です。工事途中で追加費用が必要になった場合の対応方法についても、事前に確認しておくとよいでしょう。

部材の妥当性

使用される部材の品質と価格の妥当性も確認しておきましょう。安全性に関わる電気工事では、品質の良い部材を使用することが長期的には経済的で、安全面でも安心できます。とくに分電盤やブレーカーなどの重要な部材については、品質を重視することが大切です。

一方で、装飾性が主な目的のスイッチプレートやコンセントカバーなどは、予算に応じた選択ができます。部材の選定は安全性、耐久性、価格のバランスを考慮して判断することが重要です。

複数の見積もりの比較

電気工事を依頼する際は、複数の業者から見積もりを取得し、比較検討しましょう。3社程度から見積もりを取ることがおすすめです。比較する際には、単純に金額だけで比較するのではなく、工事内容、使用部材、工期、保証内容なども含めて総合的に判断します。

また、業者によって提案内容や工事範囲が異なる場合があるため、条件を揃えて比較することが必要です。複数の見積もりを比較することで、適正価格の目安がわかり、納得して業者を選べます。

電気工事を依頼する際には料金をチェック

電気工事を依頼する際には、料金をしっかりとチェックすることが重要です。電気工事は専門性が高く、素人には価格の妥当性を判断しにくいものです。本記事で紹介した施工内容別の料金相場や、見積もりのチェックポイントを参考にして、適正な価格で質の高い工事を依頼しましょう。

業者を選ぶ際には、単に価格だけでなく、業者の資格や実績、評判も重視することが大切です。また、見積書の内容を詳細に確認し、不明確な点は質問することも重要です。複数の業者から見積もりを取り比較検討することで、適正価格の目安がつかめるでしょう。安全に関わる電気工事だからこそ、信頼できる業者に依頼することを心がけてください。

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