インターホンが故障すると、玄関先の来客対応ができなくなるだけでなく、セキュリティ面でも不安が生じるなど、日常生活に大きな支障をきたします。
「インターホンが突然鳴らなくなった」「相手の声が聞こえない」といったトラブルが起きたとき、修理を依頼すべきか、自分で対処できるのか判断に迷う方も多いでしょう。
この記事では、インターホン故障の主な原因と症状別の対処法、修理費用の相場、そして信頼できる修理先の選び方まで解説します。
インターホンが鳴らない!故障の原因とは

インターホンが正常に動作しなくなる原因はさまざまです。修理の必要性を判断する上でも、故障の原因を理解することは重要です。どのような原因が考えられるのか、詳しく見ていきましょう。
電源供給の問題
インターホンが動作しない原因として、電源供給の問題があります。ブレーカーが落ちている場合や、電源コードが抜けている場合、親機や子機の電池切れ、またはコンセントの不具合などが原因と考えられます。
電源に関する問題は、比較的簡単に確認できる場合が多いです。まずは電源関連をチェックするとよいでしょう。
配線の断線や接続不良
インターホンは、親機と子機を配線でつないでいます。この配線が経年劣化や物理的な損傷によって断線してしまうことがあるのです。また、配線の接続部分が緩んだり、腐食したりすることで接触不良を起こすことも少なくありません。
建物の改修工事などで誤って配線を傷つけてしまうケースも見られます。配線の問題は目視では確認しづらいため、専門業者による修理が必要になる場合があります。
雨水や湿気による損傷
屋外設置型のインターホンは、雨や雪、湿気にさらされやすい環境にあります。防水設計がされていても、長年の使用で防水性能が低下し、内部に水が侵入することがあるでしょう。水分は電子回路にとって大敵であり、ショートや腐食を引き起こします。
台風や豪雨の後に不具合が生じた場合は、水濡れが原因である可能性が高いでしょう。水分による損傷は進行性なため、早めの対処が必要です。
経年劣化による部品の故障
インターホンは長期間使用することで部品が劣化し、正常に動作しなくなることがあります。一般的に、10年以上使用していると、スピーカーやマイク、スイッチなどの部品が自然に劣化していくのです。
また、電子基板上のコンデンサーなどの電子部品も経年変化で性能が低下することがあります。メーカーによっては、生産終了から一定期間が経過すると交換部品の供給が終了するため、製品自体の買い替えを検討する必要があります。
インターホンが故障したときの症状別対処法

インターホンの故障はさまざまな症状として現れます。よくある症状とその対処法について説明していきます。
呼び出し音が鳴らないとき
呼び出し音が鳴らない場合、親機や子機のスピーカー故障、配線断線、またはボタン不良が原因として考えられます。まずは電源が正常に供給されているか確認してみましょう。ブレーカーが落ちていないか、電源プラグが抜けていないかを確認します。
次にインターホン本体の音量設定が最小になっていないか調べてみましょう。これらを確認しても改善されない場合は、内部の技術的な問題である可能性が高いです。症状が継続する場合は、専門知識を持った修理業者への依頼を検討しましょう。
声が聞こえないとき
インターホンの呼び出し音は鳴るものの、相手の声が聞こえない場合は、マイクやスピーカーの故障が考えられます。まずは音量設定を確認し、適切なレベルに調整しましょう。それでも改善しない場合は、マイク部分にほこりや異物が詰まっていないか点検します。
また、相手側(玄関子機または室内親機)のマイク・スピーカー部分も同様に確認しましょう。清掃しても解決しない場合は、部品の劣化や故障が原因である可能性が高いです。
音声が乱れるとき
通話中に音声が途切れたり、雑音が入ったりする場合は、電波干渉や配線の問題が考えられます。ワイヤレスタイプのインターホンでは、電子レンジや無線LANなどの機器から電波干渉を受けることがあるでしょう。有線タイプの場合は、配線の一部が損傷している可能性があります。
また、マイクやスピーカー部分に水分が侵入していると、音声が歪むことがあるでしょう。一時的な対処として、インターホンの電源を一度切って再起動してみると改善することもあります。
呼び出し音が勝手に鳴る・鳴りっぱなしのとき
インターホンの呼び出し音が誰もボタンを押していないのに鳴る、または鳴り止まなくなる現象は、ボタン部分の接触不良や回路のショートが原因であることが考えられます。とくに雨の日や湿度が高い日に発生しやすく、水分の侵入による回路のショートが疑われるでしょう。
また、虫などが内部に侵入することで起こる場合もあります。一時的な対処としては、インターホンの電源を切ることで鳴り止むことが多いです。ただし、根本的な解決にはプロによる修理が必要になることもあります。
映像が映らないとき
テレビドアホンタイプのインターホンで映像が映らない場合、カメラレンズの汚れや結露が原因であることがあります。まずはレンズ部分を清掃してみましょう。それでも改善しない場合は、カメラユニットの故障や映像信号を伝える配線の問題が考えられます。
また、モニター画面自体の故障の可能性もあります。夜間に映りが悪い場合は、LEDライトの故障も考えられるでしょう。映像関連の問題は、電気的な知識が必要なため、自己解決が難しいケースが多いです。
インターホンの修理は自分でできる?

インターホンの修理は、簡単な作業で済む場合から専門知識を要する場合までさまざまな種類があります。
電池交換や設定変更など簡易的な作業であれば、自分で対応可能ですが、配線工事や部品交換など技術的な作業については、自分で行うとさらに故障を悪化させてしまう恐れがあります。
そのため、自力で対応できる範囲と専門業者へ依頼すべき範囲を見極めることが重要です。
インターホンの修理はどこに頼むべき?

インターホン修理を依頼する際には以下の選択肢があります。それぞれ特徴を理解して適切な依頼先を選びましょう。
ホームセンター
多くのホームセンターでは、インターホンの交換や簡単な修理にも対応しています。ホームセンターのメリットは、比較的安価な料金設定と、すぐに相談できる手軽さにあります。また、修理と同時に新しいインターホンへの交換提案も受けられるのもメリットです。
ただし、専門性の高い修理や特殊なメーカー製品の場合は対応できないこともあります。対応できる内容には限りがあるので、事前確認が必要です。
メーカーサポート
インターホンのメーカーに直接修理を依頼する方法もあります。メーカーサポートは、その製品に対する専門知識と純正部品の調達力がメリットです。保証期間内であれば、無償または割引価格で修理を受けられることもあります。
ただし、対応エリアが限られていたり、予約から修理完了までに時間がかかったりする場合があることに注意しましょう。
専門業者
専門業者では配線工事など技術的な作業にも対応可能です。急ぎの場合でも迅速に対応してくれる点もメリットといえます。また、複雑な故障にも柔軟に対応してくれる場合が多いでしょう。
さらに、修理だけでなく、適切なインターホンの提案や設置工事まで一括して依頼できる業者もあります。ただし、業者によって技術力や料金体系には差があるため、評判や実績を確認した上で選ぶようにしましょう。
インターホン修理費用の相場

インターホン修理費用は症状や依頼先によって異なります。以下に一般的な費用相場をまとめました。
一般的な修理費用
インターホン修理費用の相場は、施工費用として約5,000~15,000円程度です。出張料や部品代、配線工事費などが加わる場合、総額は約10,000~30,000円程度になることが一般的でしょう。配線工事を伴う場合や、特殊な故障の場合はさらに高額になる可能性があります。
アイホン インターホンの修理費用
アイホン製のインターホン修理費用は、専有部と共用部で異なる定額制料金が設定されています。専有部(各住戸に設置される機器)の修理費用は11,500円、共用部(集合玄関機や管理室親機など)の修理費用は22,000円となっています。この料金には出張費、技術費、作業費が含まれており、追加料金が発生しない点が特徴です。
ただし、修理内容や条件によって料金が変わる場合もあるため、事前に確認することが必要です。
パナソニック インターホンの修理費用
パナソニック製インターホンの修理費用は、故障の内容や必要な作業によって異なります。一般的な修理費用の目安として、分解作業費が5,000~15,000円、部品費が2,000円程度、調整費が3,000円程度、取付工事費が5,000円程度、出張作業費が3,000円程度です。これらを合計すると、修理費用は約18,000~28,000円程度になるでしょう。
さらに、配線工事や開口作業、コーキング作業などが必要な場合は追加料金が発生し、総額は37,000~88,000円程度になることもあります。インターホンの種類や故障内容によって大きく異なるため、事前に見積もりを取り確認しましょう。
インターホン修理にかかる時間とスケジュール感

インターホンの修理を依頼する際、かかる時間は故障の内容や依頼先によって異なりますが、ある程度の目安を知っておくことで、生活への影響を最小限に抑えられます。修理作業の所要時間や、依頼から完了までのスケジュール感について説明しましょう。
修理作業にかかる時間の目安
インターホンの修理作業自体にかかる時間は、故障の内容によって大きく異なります。
単純な調整や部品交換であれば30分〜1時間程度で完了することが多いですが、配線の問題や基板交換など、複雑な修理になると2〜3時間以上かかるケースもあります。テレビドアホンなど高機能タイプの修理は、より時間がかかるでしょう。
また、問題の原因特定に時間を要することもあります。修理業者に依頼する際は、おおよその作業時間については事前に確認しておくとよいでしょう。
修理スケジュールの流れ
インターホン修理の一般的な流れは以下のようになります。
まず業者への問い合わせと訪問日の予約をします。業者によっては即日対応が可能な場合もありますが、繁忙期には数日待ちになることもあるでしょう。
訪問日を決め、現地で業者に故障状況を詳しく調査してもらい、調査結果をもとに具体的な修理方法と費用の見積もりを出してもらいます。
部品交換などの簡単な修理であれば、その場で完了することもありますが、特殊な部品が必要な場合は、部品を取り寄せる必要があります。部品が届いた後、再度訪問して修理作業を行い、動作確認をして完了となります。
全体のスケジュールは、修理内容によって大きく異なりますが、簡単な修理なら1日、部品取り寄せが必要な場合でも1週間から10日程度で完了することが多いでしょう。
修理に関する注意点
インターホン修理を依頼する際には、修理前に見積もりを取ることようにしましょう。想定外の高額請求になるリスクを避けることができます。
修理中は一時的にインターホンが使用できなくなるため、防犯面での対策も考慮する必要があります。
また、古い機種の場合、修理よりも新品交換の方が経済的な場合もあるので、両方の見積もりを比較検討するのが賢明です。修理後は動作確認を業者とともに行い、問題がないか確認することも大切でしょう。
インターホンの寿命とメンテナンス方法

インターホンは適切に取り扱えば長期間使用できる設備ですが、永久に使えるわけではありません。定期的なメンテナンスを行うことで、寿命を延ばし、突然の故障を防げます。
インターホンの一般的な寿命と、日常のメンテナンス方法については以下の通りです。
インターホンの寿命は10~15年
一般的なインターホンの寿命は10〜15年程度とされています。ただし、使用環境や使用頻度、メンテナンス状況によって大きく異なるので注意が必要です。
屋外に設置される子機は、風雨や直射日光、温度変化の影響を受けやすいため、室内の親機よりも寿命が短くなる傾向があります。製品のグレードによっても差があり、高級機種ほど耐久性が高い場合が多いでしょう。
インターホンのメンテナンス方法
インターホンを長持ちさせるための基本的なメンテナンス方法として、次のようなものがあります。
- 外装部分の定期的な清掃
- ボタン部分の汚れ対策
- 季節の変わり目での動作確認
- 室内親機の通気性確保
- 定期点検サービスの利用
屋外に設置される子機はほこりや雨水の影響を受けやすいため、乾いた柔らかい布で定期的に拭くようにしましょう。ボタン部分は指の油などで汚れやすいため、アルコールを少量含ませた布で拭きます。ただし、水分が内部に入らないよう注意が必要です。
また、季節ごとに動作確認を行い、ボタンや通話音声、映像品質に問題がないかチェックすることで、早期に異常を発見し、大きな故障を防ぐことができます。室内親機周辺には物を置かず通気性を確保することで、高温多湿による電子機器への悪影響を防ぎ、寿命延長につながります。
メーカーによる定期点検サービスを利用することで、問題を早期発見できる場合もあります。大きな故障を未然に防ぐことで結果的にコスト削減になるでしょう。
インターホン修理のポイントを知っておこう
インターホン修理に関して、故障の原因や対処法、修理費用、メンテナンス方法など説明しました。故障の原因としては、電源供給の問題や配線の断線、雨水や湿気による損傷などがあります。修理費用は5,000~30,000円程度で、アイホンやパナソニックなどのメーカーによって異なります。
一般的に使用年数が10年を超えている場合、交換を検討するタイミングともいえます。インターホンは防犯上重要な設備です。故障したままにせず迅速に対応するようにしましょう。